124 中教審の緊急提言に物申す…④

 朝刊の紙面には、現場の代表として岐阜県の県立高校教師への取材時の言葉が掲載されていました。

 その教師は、東京都内の記者会見で「希望が持てる内容ではない」と話し、「2019年に中教審が示した内容とおおむね同じ」とも言っていたとのことです。そのとおりだと思います。

 教員の過酷な勤務状況は、随分前からほとんど変わっていません。

 2022年度の調査では、残業時間上限の月45時間を超える「月50時間以上」の教員は、小学校64.5%、中学校77.1%です。

 表面上の数値は改善したかのように見えますが、結局管理職から早く帰るように言われ、「持ち帰りの闇残業が横行している」(新聞記事より)だけのことです。

 また、記事には「教育学者や文科省の一部から『教育課程のスリム化が必要だろう』との意見が出始めた」とありました。しかし、私から言わせると「遅すぎ」です。

 今から20年ほど前に、いわゆる「ゆとり教育」を目指した時代がありました。

 国として何年もの長い時間をかけ、週休5日制を達成した後、学習内容を吟味・精査した上でその3割を省いたのです。

 ところが、一部の保護者(及び一部の有識者)からの反発を受け、手の平を返すかのように、元に戻すような転換(表面上は、ゆとり教育を次の段階へ進めた「軌道修正」という言い方でしたが…)を図ったのです。

 実際には、元以上に内容が増えた部分もあり、現在の盛りだくさんの学習内容になりました。

 私は、「ゆとり教育が良かった…」と言いたいのではありません。

 ただ、今の教育の現状を見て、今のままでは絶対に日本の教育はだめになると思っています。まさに現在、その兆候がじわじわと表れてきているではありませんか…(いじめ・不登校問題、学力・体力の低下・二極化の問題など、20年前に問題視されていたことが大した改善が図られないまま、いや、むしろ重大化・深刻化して今に至っているのです)

 だから教育改革を進めるならば、私は教育課程、いや学習指導要領を見直すべきだと思います。量的にも内容的にも、です。

 このような見方・考え方は、これまでにもたくさんあったはずです。

 しかし、毎回学習指導要領改訂の時期(ほぼ10年に一度)になると、各教科担当の偉い方々が自分の教科に関して「これだけは外せない」といった持論を展開し、学習内容を大きく見直すことなく、(というより、それが良いことだと思って)部分的な修正にとどまってしまっているのです。

 私は、子供たちの教育の根本となっている学習指導要領を大きく変える時代に来ていると思っています。

 これまで大きく見直すことなく過ごしてきた、この教育内容の基本(=学習指導要領)を変えないことには教育改革は成り立たない、と私は思っています。

 こうした理由から、今回の中教審の緊急提言で、大きな改革は達成できないと考えます。

 今こそ、国を挙げて「働き方改革」と「教育改革」を突き進めていくことが必要ではないでしょうか。

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学校教育
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