106 「幸せ」な働き方改革を目指して…①

 学校現場では、もうすぐお盆休みと言われる実質的な休みも終わり、2学期に向けての準備や研修などが本格化します。(夏季休業中ですが、子供たちと違って、教師に休みは少ないです)いよいよ2学期に向かって始動を起こすといってもよいでしょう。

 ここで、少し私の昔話をさせてください。

 最終の学校で2年間校長をした時、自分で言うのも何ですが、たくさんのことを変えました。

 1年目に、「働き方改革」を目指して「働き方改革ミーティング」を開きました。教職員に仕事で改善していけばよいと思う内容について書いてもらい、話し合いました。それらの中で、私が約束したことについては、ほぼ実行したと思っています。

 例えば、PTA資源回収の手伝いや朝の交通安全指導(当番)の廃止、朝の湯茶・電話対応当番の廃止、職員会議の縮小(終礼への移行、学年主任会による協議・意思疎通へ変換)、登校時間の変更(後ろ寄りに、短く)、下校時刻の変更(校時を短縮し、前寄りに)、退勤時刻の変更(早めに退勤)、放課後の電話対応時間の縮小(18:30までを18:00までに)、人員的には、教頭2人体制や給食搬入員1名増員…などです。

 短期間にこれほどの改善を行ってきた学校は少ない、と自負しています。

 

 ところで、(…私が言いたいのは、ここからです)これだけの働き方改革を断行して、教職員の多忙感は、減ったと思いますか…?

 実は、率直な感想として「(あまり)減っていない」と感じている人が多かったのです。どうしてだと思いますか?

 確かに、今の教員は忙し過ぎます。だからこそ私は、削れるところは削ってきました。

 間違いなく、働く時間と「やらなければならないこと」は、減ったのです。それにも関わらず、多忙感はあまり減っていないのです。この多忙感は、いったいどれだけ削れば、なくなるのでしょう?

 私は、「働き方改革」は「時間の短縮(いわゆる時短)」だけでは、決して成し遂げられないと思っています。

 私たちは、今の働く時間が短くなったら、それでやりがいをもって、楽しく幸せに仕事ができるようになるのでしょうか? …ならないと思います。

 例えば、水曜日が休業日になり、週休3日になったとしましょう。

 働く時間が週に1日分も減るのです。そのことによって、私たちは一気にやりがいを見い出し、生き生きと働くようになるのでしょうか?…ならないでしょう。

 しかし、世の中の「働き方改革」は、自信をもって「なる!」と言い切っているように、私には見えます。

 結局多くの人は、自分の仕事に価値や意義を見い出せない中で、「少しでも働く時間が短くなればいい」と思っているだけのことなのだと思います。

 問題は、働く価値を見い出せない大人にこそあるのです。

 この世の中に、「働くことが楽しい」「人の喜ぶ顔を見るのが嬉しい」…など、働くことの意味や意義を感じ、生き生きと働く大人が増えなければならないと思っています。

 このことをもう一度見直し、「幸せ」な働き方改革を目指していく必要があると思っています。(私自身もなかなかできませんでしたが…)

 満員電車に揺られながらゾンビのように通勤する大人を見て、子供たちは「ああ、早く大人になりたい」「あんな仕事をしてみたい」「ああいう大人になりたい」と、果たして思うのでしょうか…?

 生き生きと働く大人を一人でも多く増やしていくことが、今の日本には必要なのではないでしょうか。

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