前回、「教員の離職者が過去最多」「精神疾患によるものが大多数」という新聞記事のことを取り上げましたが、確かに教師は精神的な強さが求められる職業です。
精神的な強さがないと、なかなか続けていけないといってよいでしょう。
また、精神的な部分での経験や失敗を経ながら、それらを力強く乗り越えていくことで、ようやく教師の「やりがい」にまで到達するのかもしれません。それほど教師というのは、厳しく大変な仕事だということです。
もっと言えば、それ相応の覚悟と責任感、熱い想いなどがないと、教師を続けていくことは無理なのかもしれません。
きっと教師になった人は皆、最初はそういうものをもっていると思います。
しかし、子供たちとの関係づくりや職場環境の中で、子供や教職員との人間関係がうまくいかなかったり辛い経験・状況が続いたりして、精神的に追い込まれていくことがあります。
そうして、なかなか「やりがい」にまで辿り着かず、「やる気」を失っていくのだと思います。
あなたにとって、教師の「やりがい」とは何でしょうか…?
当然「やりがい」は人によって異なりますが、「子供たちとの良い関係」や「授業や指導の充実感・達成感」が、教師としては最も大きいのではないでしょうか。
私の場合は、特に「子供たちとの関係」がとても大きく、それが思うようにいった時といかなかった時とで、気持ちのあり方がかなり違っていたように思います。
子供たちとの関係が良かった日は充実感や満足感をもつことができ、子供たちとの関係が悪かった日は気持ちが沈んだり、落ち込んだりしていました。
つまり、毎日学校で「誰とどのように関わり、どんな気持ちで過ごすことができたか」ということが、私の教師としての「やりがい」に大きく関係していました。
考えてみれば、教師になりたい理由もそのあたり(人と関わりたいという思い)にあったからだと思います。
人と人との関係(信頼関係)は、やはり日々の積み重ねです。
教室にはたくさんの子供たちがいて、毎日様々な関わりが生まれています。
その中で、よりよい人間関係をつくったり演出したりしていくのは、やはり教師の役目です。
教師と子供との関係づくり、子供と子供との関係づくりというのは、たくさんの点と点を結んで線にし、その線を更に縦横無尽に結びながら、面に近づけていくことだと思います。
教師の力量一つで、それは「吉となれば、凶にもなる」といえます。
そんな大事な役割を担っている教師がやることは多岐に渡っており、決して簡単ではありません。
今一度、教師の「やりがい」について、見つめ直してみるのはどうでしょうか…?
そして、教師としての毎日が充実し、満足感にあふれたものにするにはどうすればよいのか、改めて考えてみるのもよいのではないでしょうか?
もう一度聞きます。
あなたにとって、教師の「やりがい」とは何でしょうか…?