あなたは、昨日読んだ図書や資料で「なるほど、そうか!」と理解した内容を、次の日そのほとんどを忘れてしまっていたということはありませんか。
研修会で「これはいい方法だ。ぜひ自分の学級に取り入れてみよう」と喜んで帰ってきたのに、気が付くと何もしないまま日が経っていたという経験はないでしょうか。
私は、あります。いや、むしろよくある私の経験談です。
なぜ、そういうことになるのでしょう…?それは、「確かな学び」になっていないからだと考えます。これらを「確かな学び」とし、生かしていかなくてはならないのですが…。
ところで、「確かな学び」と似た言葉で、現在教師に求められている授業(学習指導)の在り方として、学習指導要領のキーワードにもなっている「主体的・対話的で、深い学び」があります。
この「主体的・対話的で、深い学び」を目指していくには、どうすればよいでしょう?
ここからは、この問いに対する現時点での私なりの答え(見方・考え方)です。
私は、キーポイントは「インプット&アウトプット」だと思っています。
【深い学び(個人内で)のイメージ】
インプット (聞く・読む) ↓↑ 【思考・判断・表現】 | ←【相互】→ | アウトプット (話す・書く) ↓↑ 【思考・判断・表現】 |
【連続】 ↓↓ 確かな学び 【連続】 ↓↓ | ||
深い学び |
【※インプット(聞く・読む)した内容を、内面的な【思考・判断・表現】を通して、アウトプット(話す・書く)する。そのアウトプット(話す・書く)した内容に、再び内面的な【思考・判断・表現】を通して、インプット(聞く・読む)していく。こうした作用を相互に連続して行っていくことで「確かな学び」となり、さらに様々な場面や段階で繰り返していくことで「深い学び」に繋がっていく】
…… こういうイメージです。
(※ ここでいう【思考・判断・表現】は、個人内で行われている働きであり、学習指導要領で求められている高次の「思考・判断・表現」力とは、必ずしも一致しません)
「聞く・読む」(=インプット)だけでは、それを学びとして定着させることは難しく、それを「話す・書く」(=アウトプット)し、再び「聞く・読む」(=再インプット)といった相互・連続作用を経て、学びはより確かなものになっていくと思います。
「インプットだけでも、学びになるのでは?」と思うかもしれませんが、それだと私のように浅い理解で終わる可能性が高いです。やはり、アウトプットすることが大事です。
よく「人に教えることで、より頭が整理され、理解が深まる」と言われますよね。
だから「聞いたら、話す」「読んだら、書く」などが良いと思っています。
ただし、確かな学びには自分の中で「思考・判断・表現」を伴うことが重要です。
つまり、ただインプット&アウトプットするのではなく、自分の頭で「考え、判断し、表現する」ことを経た上で、インプット&アウトプットするということです。(※表現 … ここでは、頭の中で自分の言葉で表すことも「表現」とします)
まとめると、思考・判断・表現を通した「インプットとアウトプット」を、様々な場面や段階で繰り返していくことが、より確かで深い学びに繋がっていくということです。
次回は、この「学びのインプットとアウトプット」を、より具体的な場面として考えてみたいと思います。