45 学級経営のイロハ31「スピードとテンポ」

 今回は、「スピードとテンポ」をテーマにします。

 これも「タテの関係づくり」に大きく関わる要素です。

「スピードとテンポ」

 これまでいろいろな授業を見てきて、「いい授業だなあ」とか「いい雰囲気で子供たちが真剣に取り組んでいるなあ」と思ったことが何度もありますが、その時にいつも感じるのが教師のスピードとテンポです。

 あまり意識されていないかもしれませんが、この「スピードとテンポ」は、授業においてとても大切な要素だと思っています。

 基本的に何をするにも、教師はスピードとテンポをもって行うことが大切です。特に、授業においては、これがないとだらだらとしてムダな時間が多くなったり、もたもたとした雰囲気の中で緊張感のない授業になったりします。

 こういう状態では、子供たちの意欲や意識が高まらず、話し合いや思考の面でも深まりがあまり期待できなくなります。

 入学間近の子供たちに対してであれば別ですが、教師があまりにもゆっくりと話していたり、一つ一つの動作がゆったりとし過ぎていたりすることがあります。特に、崩れ気味のクラスの教師によく見られます。

 教師は話すことのプロと言ってもよいですが、これがなかなか意識できていない教師も多いです。当然といえば、当然です。そういうことを教わっていないからです。

 本来であれば、自分自身で学び、高め鍛えていかなければならないことですが、時間のない若手教師にはなかなか難しいことでもあります。結局は、研修やOJTなどを通して、現場で学んでいくしかありません。

 話すことで、まず意識したいのがスピードです。

 ゆったりとしたスピードで話した方が子供たちに伝わる、と思っている人が多いですが、私は逆だと思っています。話すスピードはできるだけ速い方がよいと思います。

 聞き取れないほど速いのは論外ですが、子供たちが少し意識して聞かなくてはと思い、聞くことに集中せざるを得ないぐらいのスピードで話す方がよいです。

 その方が、子供たちがよく聞こうとするからです。

 教師の話すスピードが遅いと、場がだらけます。もちろん話の内容も大事ですが、それよりもまずは話にスピードがあるかないかで、子供たちの聞く意識が違ってきます。その場の緊張感や態度にもつながっていきます。

 教師がこの話すスピードを意識しているかいないかで、伝わり方が違うといってもよいでしょう。

 「スピード」という言葉は、以前、行動面での「スピード感(てきぱき行動すること)」の大切さを伝えましたが、ここで言う話す時のスピードもぜひ意識してみてほしいと思います。

 もう一つは、テンポです。

 これは、話す時のテンポもそうですが、授業を進める際の学習活動のテンポのことです。

 いわゆる「テンポよく授業を進める」「テンポのある活動にする」ということです。「リズム感」に近いかもしれません。

 時々授業の中で、一つの学習活動にゆったりと時間をかけ過ぎるあまり、授業が終末までいかないということがあります。

 教師の指示・説明が長過ぎることも往々にしてありますが、テンポが悪いことが要因である場合が十分考えられます。

 それぞれの活動の時間をシビアに区切り、状況を見ながら、一つ一つの活動をテンポよくすばやく進めていくということです。

 子供たち自身が時間を意識して、手際よく行うようにするねらいもあります。

 これがあまりにもゆったりしていると、活動がスムーズに進まなかったり、結局時間がなくなったりということが多くなってしまいます。子供たちの活動に対する意欲にも影響してきます。

 事前に活動の実施時間計画をしっかり立てておくことは当然ですが、授業が始めたらテンポよく活動を進めていくことが大切です。

 これも崩れ気味のクラスでは、テンポが悪く、間延びした雰囲気の中でだらだらと活動を続けているといった様子や状況が見られます。

 そうならないためにも、テンポのある授業や活動を心がけていきましょう。

 「スピードとテンポ」は、意外なことにそれほど重要に思っていない教師(気づいていないか、時間やスピード感を大切にしない教師)が多いと感じます。

 特に、「タテの関係づくり」に大きく影響してくる大事な要素です。

 よりよい学級経営を進めるために、ぜひ意識してほしいものの一つです。

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