40 学級経営のイロハ26「ヨコの関係づくり」(まとめ)

「ヨコの関係づくり」のまとめ

 今回は、「ヨコの関係づくり」のまとめです。

 これまで、「ヨコの関係づくり」について下記のテーマを元に伝えてきました。

 前半のⅠ~Ⅳは、主に教師と子供の関係づくりに触れ、後半のⅤ~Ⅷは、主に子供同士の関係づくりに言及しました。

<教師と子供のヨコの関係づくり>

 Ⅰ 「子供と共に」を大切にする            

 Ⅱ 褒め励まし、認め勇気づけ、共に喜ぶ

 Ⅲ 子供への平等・公平と、子供の納得感

 Ⅳ クラスに「笑い」をつくる

<子供同士のヨコの関係づくり>

 Ⅴ 話し合い、教え合い、学び合う授業

 Ⅵ 話し合いにおけるインプットとアウトプット

 Ⅶ 共感的・受容的に話し合う

 Ⅷ 教え合い、学び合う授業

 いろいろと書いてきましたが、これまでの経験を振り返ってつくづく思うのは、「人は誰でも、褒められると嬉しい」ということです。

 教師も子供も、互いを褒め合ったり認め合ったりすることは、人と人をつなげる一番の特効薬であり、「ヨコの関係づくり」においてもたいへん効果的に働きます。

 これは、いつの時代もあまり変わらないのではないかと思っています。

 それは、現代のSNSにおける「いいね!」や「フォロー」の様子にも表れています。

 「いいね!」を獲得したい、人から承認されたいという人の欲求や思いは、とても強いものです。それが目の前にいる人(教師や子供)に対するものであれば、なおさらだと思います。

 やはり、人に褒められ認められることは、とても嬉しいものであり、互いの人間関係をよりよいものにしていきます。

 だから、教室の中で生活するみんなで褒め合い、認め合えばいいと思うのです。

 授業の中で互いを認め合ったり、帰りの会で友達の「よさ見つけ」をしたりするなど、互いのよいところや頑張りを褒め認め合うことを意図的に仕掛けていきたいものです。

 教室内に、褒め合う雰囲気や認め合う空気、励まし合う関係が育っていくと、とても素敵なクラスになっていきます。

 私は、これを「認め合いの風土(承認文化)をつくる」と呼んでいます。

 クラスにそういう風土や文化をつくっていくのは、何と言っても教師(担任)の役割です。まずは、教師が子供を「褒める、認める、励ます、勇気づける」ことです。

 その風土や文化が、子供たちやクラス全体に広がっていくのです。

 具体的には、次のようなことが考えられるでしょう。

○教師が毎日必ず1回は子供たちを褒める(と決め、実行する)

○帰りの会で、子供たちの良かったところを紹介する

○目標(全員発表、グループで○○達成など)を達成したら、牛乳で乾杯する

○学級目標に近づいたら、楽しい集会を開く

○子供同士で、互いの良さや頑張りを褒め認め合う(ほめほめシャワー、ほめ合いゲーム) などです。

 要は、楽しくて子供たちがつい笑顔になれるような風土や文化をつくっていくことです。

 互いに「褒める、認める、励ます、勇気づける」風土や文化をクラスに意図的につくり、ヨコの関係を大いに発展させていきたいものです。

「ヨコの関係づくり」の留意点について

 「ヨコの関係づくり」において、気をつけなければならないことがあります。

 これは、私の失敗談です。(もう恒例になりましたね。笑)

 優しさを基本とするヨコの関係を重視するあまり、いろいろなことが「何でもあり」の状態(関係)になってしまうことです。

 例えば、ある子供が時間や約束を守らなかったり、相手の心を考えない言動をしたりしたとします。

 このような言動に対して、つい甘くなったり簡単に許したりしてしまう状態(関係)になることです。

 ヨコの関係といえども、やはりそこには人間関係の基本的なルールや約束があります。

 ルールや約束を守らなかったり、人の心を大切にしなかったりする言動を見逃したり、許したりしてはいけません。子供同士でも、同様です。

 そこは、毅然とした態度で注意したり、真剣な表情で指導したりしなければなりません。

 タテの関係がないがしろになってはいけません。タテの関係があってのヨコの関係です。

 この両方の関係がうまく噛み合ってこそ、教師と子供がよりよい関係でつながり、子供同士が互いに助け合い、高まり合う関係になるでしょう。

 これまで、学級経営のあり方として「タテ&ヨコの関係づくり」について書いてきました。

 次回からも引き続き学級経営に関して、テーマを変えながら迫っていきたいと思います。

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