39 学級経営のイロハ25「ヨコの関係づくり」(Ⅷ 教え合い、学び合う授業)

 「ヨコの関係づくり」、8つ目のテーマです。

教え合い、学び合う授業

 学び合いは、「聴く・話す」を基本とした「話し合い」から始まると思います。そして、その土壌として「受容的・共感的な関係」が不可欠であることを伝えました。

 この受容的・共感的な関係を元に話し合い、やがて「教え合い、学び合う」関係(=学習集団)へとつなげていきたいものです。

 今回は、「話し合い」から「教え合い、学び合う」より高い関係づくりを進めていくにはどうすればよいのかについて探っていきたいと思います。

 子供たちが受容的・共感的に話し合いができるようになってきたら、学習集団としては、かなりレベルが上がっていると言ってよいでしょう。

 それで十分のような気もしますが、さらに教え合い、学び合う関係を目指していきます。

 ところで、あなたは子供の頃、友達の家で一緒に宿題をした経験はありませんか?

 宿題といいながら、実際はおしゃべりをする方が楽しくて、宿題そっちのけでしゃべっていて家の人に注意される、といったことが遠い記憶にあるのではないでしょうか。

 あの時の記憶の片隅に、友達としゃべりながら宿題をしている中で、こんなことはなかったでしょうか。

 よく分からないことや知らないことを友達に教えてもらい、

「は~ん、そういうことか」

「へえ、そうなんだ」

など、何だか少し理解が進んだり、知識が増えたりしたと思ったことはないでしょうか。

 忘れているかもしれませんが、きっとあるのではないかと思います。

 先生に教えてもらうよりも、なぜか理解しやすくて頭にすっと入ったり、より納得できたりしたことがあるのではないでしょうか。

 それは、同じ問題や悩みを抱えている者同士で教え合い、学び合うからこそ理解が深まることを意味しています。(時間が短いのと集中の度合いなどから、学びの深さはまだまだ浅いと思いますが…)

 このことを教室や授業でも、生かしていこうということです。

 ペアを誰にするのか、どんなグループにするかはなかなか難しいところですが、まずは隣の子供同士で教え合うことから始めてみるとよいでしょう。

 もちろん授業の全てをそうするという訳ではなく、授業の中で部分的に取り入れたり、単元の学習過程に計画的に導入したりするなど、柔軟に考えていく必要があります。

 そして、ペアでの教え合いに慣れてきたら、グループや全体で行うようにしていったり、時には単元全体を通して子供だけで授業を進めたりしていくとよいと思います。

 要は、これまでのように教師が一方的に教える授業スタイルではなく、子供同士で疑問や課題を解決したり、分かる子供が分からない子供に教えたりする、子供同士が教え合い、学び合う授業を積極的に行っていくということです。

 いつも教師が教えることを中心とする授業では、マンネリ化し、子供たちも飽きるはずです。というより、もう飽きているのではないでしょうか。(笑)また、そういった授業の中身は、もはや子供たちの頭になかなか入っていきません。

 真面目な話、授業の中に子供たちで教え合い学び合う場や機会を取り入れ、子供たちのインプットとアウトプットを重視した授業をどんどん行っていくのです。

 子供同士の受容的・共感的な関係を生かして、「教え合い、学び合う関係」へ高めていくということです。これは、授業の中でこそ大いに効果を発揮します。

 そうやって、クラス全体がさらに素敵な学習集団へとブラッシュアップしていくことを目指しましょう。

 子供同士の「ヨコの関係づくり」と「授業改善」は、密接につながっています。

 子供たちにこの能力や意識、心情が育ってくると、子供同士のヨコの関係づくりが良い形で進み、クラスがだんだんと明るく温かい雰囲気になるとともに、授業が充実していきます。

 それまで単なる「群れ」の集まりだったものが、徐々に「学び」の集団へと変貌していくのです。

 学級経営は、やはり授業の中で、じっくりと進めていくことが大切です。意識して挑戦してほしいと思います。また、ぜひ自分なりに工夫してみてください。

 次回は、これまで書いてきた「ヨコの関係づくり」についてまとめてみたいと思います。

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