38 学級経営のイロハ24「ヨコの関係づくり」(Ⅶ 受容的・共感的に話し合う)

 「ヨコの関係づくり」、7つ目のテーマです。

受容的・共感的に話し合う

 前回は、話し合いを充実させるためのインプットアウトプットペア・グループ学習の大切さについて書きました。ヨコの関係づくりには、話し合いを通して、子供一人一人がしっかりアウトプットをし、互いの思いや考え、その人らしさを知り理解し合うことが必要です。

 今回は、話し合いを充実させるために、もう一つ大切なことを話します。

 「受容的・共感的に話し合う」ことです。

 例えば、話し合いの場面で、ある子供の言った意見や考えが周りの子供たちからことごとく反対されたり批難されたりしたら、その子供はどうなるでしょうか?

 きっとその子供は、次から発言しなくなるか、話し合いが嫌いになるでしょう。

 話し合いは、互いの意見や考えから、そこにはない、より良いものをつくり出していく過程に価値があります。

 決して、意見や考えの正否や勝ち負けを争っている訳ではありません。

 まずは、このことを子供たちがしっかりと理解している必要があります。

 つまり、教師がこのことを子供たちに理解させないまま話し合いを仕組んでも、うまくいかないことがあるということです。

 まさに、この点がヨコの関係づくりの成否に直結します。

 話し合いの意味や価値について、今一度クラスの中で共通理解する必要がないか、よく考えてみましょう。

 例えば、子供たちに下記のことができているかどうかをチェックしてみましょう。

・友達のどんな意見も尊重して聴く(発言することに価値があること)

・自分と違った意見であっても、頭から否定しないで聴く(聴いていったん受けとめること)

・相手の気持ちを考えながら、最後まで聴く(人の気持ちを推し量り、思いやること)

 などです。もしできていなければ、前もって時間をかけて話しておく必要があります。そして、これらを日頃から大切にして、繰り返し伝えていくことです。

 そうすることで、クラスの中に「受容的・共感的な土壌」が育っていきます。

 クラス全体の目標(学級目標)の中には、きっと優しさや思いやりの観点があると思います。そこにつながっていることも意識させるとよいです。

 クラスの中にこの土壌がつくられて初めて、「受容的・共感的に話し合う」ことができるようになると言ってよいでしょう。

 また、すでに気づいていると思いますが、上記のポイントはどれも「聴く」ことが中心になっています。

 「話し合い」と言いながら、ポイントが「聴く」というのもおかしな話ですが、やはり、まずは「聴く」がポイントです。その意味で、「聴き合い」といった方がよいかもしれません。

 「聴く」ことは、「話す」ことにつながります。むしろ、人間関係づくりの基本といってよいでしょう。

 タテの関係づくりのところで何度も出てきた内容ですが、ここでも生かしていきます。

 このことを、子供たちに折に触れ伝えていくことが重要だと思っています。

 ただ、ここではあくまでヨコの関係づくりとして、クラスが向かう方向を全員で確かめたり、教師からの願いとして伝えたりするということです。「みんなで高まっていこう」という思いや願いとして話す、と捉えてください。

 決してルールの強制や指示ではない、ということを理解しておきたいところです。

 このようにして、受容的・共感的に話し合うことを充実させていきます。ぜひ意識して、挑戦してほしいと思います。

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