33 学級経営のイロハ⑲「ヨコの関係づくり」(Ⅱ 褒め励まし、認め勇気づけ、共に喜ぶ)

 「ヨコの関係づくり」、2つ目のテーマです。

子供たちを「褒め励まし、認め勇気づける」

 「褒めたり励ましたりする行為は、上下関係からくるものであり、良くない。それより同等の関係を重視し、認めたり勇気づけたりする行為が良い」という考え方があります。

 確かにそうだと思います。ただ私は、クラスや集団という特性を考えた時に「褒めたり励ましたりする行為」は、あってもよいと思っています。

 むしろ「褒めたり励ましたりする行為」を完璧になくすことは、現実的ではないと思っています。

 私たち大人でもそうですが、人間関係をつくる上で、最初は相手を褒めたり励ましたりすることがあると思うからです。それは、上下関係からのつもりではないはずです。

 大人も子供もそうですが、相手を認める言葉として、つい「褒め言葉」や「励まし言葉」が口をついて出てきませんか?

 例えば、「すごい!」とか「えらい!」「頑張れ!」などです。

 つまり、最初からアイメッセージを駆使し、相手を認めたり勇気づけたりするというのは、レベルが高いと思うのです。あなたは、できますか?

 私は頭の中で理解し努力もしますが、いつもと言われると、なかなかできません。

 だから、あまり難しく捉えないようにしてもよいのではないかと思っています。

 それよりも最初の段階では、褒めたり励ましたりする行為をどんどん行っていき、それができるようになれば、認めたり勇気づけたりする行為ができるようになればよいと思うのです。(子供同士も同じで、実際に成長とともにそういう過程を踏むと考えています。また、混在していてもよいと考えます)

 最初の頃は、

「○○さん、100点って、すごいね!」

「○○くん、頑張れ!」

かもしれませんが、少しずつ

「○○さん、おめでとう!私もうれしい」

「○○くんの頑張りを見て、私も頑張ろうと思ったよ」

というふうになっていけばよいということです。

 大切なのは、最初から高いレベルを目指すがゆえに、言葉を発することに躊躇するよりも、目の前の子供たちをどんどん褒めていくということです。

 そして、少しずつそのレベルを上げていけばよいのです。

 教師も、「褒め励ます」レベルを経て、「認め勇気づける」レベルへと移行していけばよいと思っています。

 だから、まずは子供たちを日頃からどんどん褒め、励ましていきましょう。

 そうやって、まずは教師が積極的にクラスの中に明るい雰囲気をつくっていくのです。

 クラスに「褒め合い・励まし合い」の風土をつくっていくのです。

 それから、より高みを目指して「認め合い・勇気づけ合い」の文化をつくっていくのです。

教師自身が子供たちと「共に喜ぶ」

 以前、教師は「感心・感動・感謝をしよう」という話をしましたが、そのことに合わせ、子供たちと「共に喜ぶ」ということを伝えたいと思います。

 子供たちと毎日一緒にいると、楽しいことやおもしろいことなどがいろいろとあります。(もちろん、嫌なことや悲しいこともありますが…)

 例えば、体育の授業では、「逆上がり」や「二重跳び」など、できるようになりたいことを自分で決め、その目標に向かって取り組むような課題達成型の学習があります。

 ある時、なかなか逆上がりのできなかった子供がついに逆上がりができた瞬間、周囲の状況はいったいどうなるでしょうか。

 きっと本人はもちろん、周りの友達やみんなが一緒になって大喜びすると思うのです。

 その時、教師であるあなたは何をしていますか?

 そんな時こそチャンスです。子供たちと一緒になって、大喜びしたらいいんです。

 私はそうしていました。というより、気づくと、自然にそうなっている自分がいました。

 そのことで、子供たちとの親密度が増したり、さらに関係が深まったりしました。

 毎日あることではないですが、子供と喜びを分かち合い、自分のことのように跳び上がったり、ハイタッチして嬉しさを共有したりする教師でありたいものです。

 人の喜びを自分のことのように喜べる教師は、そのまま子供たちの良い手本となります。

 子供同士の喜び合う姿も微笑ましいですが、子供たちの輪の中に入って「楽しい」とか「嬉しい」といった感情を共有する教師でいましょう。

 それを恥ずかしいと感じる人もいますが、恥ずかしいことでも何でもありません。ぜひ堂々と、表現してほしいと思います。

 また、そうやって子供たちとのヨコの関係を強くしていってほしいと思います。

 子供たちと共に、喜びや嬉しさを爆発させる場や時間を共有できることは、教師としてこの上ない幸せです。そういう場や時間を、存分に味わいたいものです。

 教師として、子供たちを「褒め励まし、認め勇気づけ、共に喜ぶ」ことを、日々意識しながら積極的に実践していきましょう。

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