「ヨコの関係づくり」とは、実際にどうすることでしょう?
たくさんのことが考えられるので、テーマ毎に考えてみます。
「子供と共に」を大切にする
まずは、「子供と共に」を大切にする ことです。
当たり前のことと思われたかもしれませんが、もっと言えば、子供たちと一緒にいる時間を多くするということです。
最近は、働き方改革の趣旨から、子供たちの下校時刻がどんどん早くなってきています。つまり、教師が子供と共にいる時間がどんどん少なくなっているということです。
時代の流れとしては致し方ないのかもしれませんが、そうした中でいかに子供たちとの時間を創出し、大事にしていくかです。
単純に、子供たちと離れる時間を極力少なくするしかありません。
特に小学校の場合は、どうしても必要な「離れる時間」以外は、子供たちと同じ空間で同じ時間をじっくりと過ごすことが大切だと思います。
授業時間はもちろんのこと、朝の時間や帰りの時間、休み時間などを含め、子供たちが登校してから帰るまでの時間を子供たちとたっぷりと過ごすのです。
教師として、子供一人一人のいろいろなことを知り、把握し、理解していくことが大切です。それが、本来教師がやるべき仕事の一つです。それらを元に効果的な指導・支援のあり方を考え実践していく、それが教育というものだと考えます。
まずは「子供と共に」を大切にするという基本的な立場に立つことを重視しましょう。
その意味では、「丸付け」や「ノートチェック」などは、子供のいないところでやりたいものです。(または、テストや自学・自習の時間、「空き時間」などに行う)
せっかく子供たちと一緒にいられるのに、時間がもったいないです。
担任であれば、子供たちと直接関わる貴重な時間を、何よりも大事にすべきではないでしょうか。私は、そう思います。
子供と遊ぶこと
教師にとって、子供たちと遊ぶことはとても大切です。(単なるおしゃべりでもよいです)
その方が断然、子供理解が深まる上に、良いことがたくさんあります。いつも同じ子供ではいけませんが、日替わりや何日か交代で、いろいろな子供(時間がかかってもよいので全員)と関わりましょう。
子供たちは、遊びの中で思いっきり自己を発散させます。
授業の中では見せない意外な一面や、本来のその子らしい姿を見せることも多いです。
もちろん、遊びの中では様々なもめごとやけんかなどが起こります。
それは、子供たちにとって、成長の過程として当然必要なことです。
教師もそんな成長の過程を見届けるつもりで、その遊びの中に積極的に入っていきたいものです。
中には、「一人ぼっち」の子もいます。
その子が一人でやりたい「一人遊び」の場合はよいですが、友達と遊びたいのに遊べない「一人ぼっち」は注意です。
本人や周囲の子供たちにその理由や様子を聞いてみたり、教師が相談に乗ったりするなど、何らかの支援や配慮をしなくてはならないでしょう。
そういったことも、子供たちと遊ぶことで敏感に察知できるということです。
面倒なことも多いかもしれませんが、遊びを通して、その目でしっかり子供たちの様子を見たり関わったりしながら、共に過ごす時間を意図的につくりたいものです。
当然体力を使います。しかし、そこではたくさんの貴重なものが手に入ります。
教師と子供との信頼関係や友好な人間関係などです。
職員室でお茶を飲んでいる時間からは得られない、子供理解や信頼関係の深まりは、何物にも代え難いものとなります。
子供たちは、遊びが大好きです。
そして子供たちは、遊んでくれる先生が大好きです。関わってくれる先生が大好きです。
日頃からそうした時間を繰り返し積み上げていくかどうかで、教師人生が大きく変わってくると言っても過言ではありません。
「子供と遊ぶこと」が、大きな教育的効果と素敵な人間関係を生み出します。
子供たちと遊びや関わりの時間をできる限り共有しようとする、そんな「子供と共に」を大切にする教師でありたいものです。
次回のテーマは、「褒め励まし、認め勇気づけ、共に喜ぶ」です。