29 学級経営のイロハ⑮「タテの関係づくり」(Ⅲ 教室環境をつくる-③仕事環境を整える)

 今回は、③ 仕事環境を整える です。

 ポイントは、大きく2つです。日直や給食などの「当番活動」と、「係活動」です。

「当番活動」

 当番活動は他にもあると思いますが、ここでは日直当番給食当番について触れます。

○日直当番について

 学校生活において、子供たちが自分たちでクラスを動かしていくためのシステムの一つになります。

 通常は、子供たちが輪番制で交代しながら、その日の予定を全員に伝えたり注意を促す声かけをしたりします。

 これも4月当初に、教師から日直当番の仕事のやり方や役割について説明し、特にその日のリーダーであることを話します。(私の場合、学級代表とは違う立場とします)

 日直当番を進行役として、その日の学習・活動を自分たちで進めていくようにさせます。担任がいる・いないに関わらず、自分たちで学習を進めること、その時のリーダーが日直であることなどを繰り返し伝えます。

 日直当番は、毎日入れ替わるようにします。そうすることで、子供一人一人がその役割と責任を自覚し、リーダー性を高められるようにするためです。

 日直当番以外の子供は、日直の子供の話をしっかり聴くということも指導します。

 日直当番の仕事内容については、クラスによって異なるでしょう。

 例えば、次のような役割があると思います。

・「朝の会」や「帰りの会」の進行

・今日の学習・活動の予定、留意事項などの伝達

・授業時の号令(必要に応じて)

・担任からの伝言を伝えること

・給食の「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶 など

 教室内に、役割を明示した札を掲示し、その仕事が終わったら札を裏返すなどすれば、日直の子供にとっても達成感や新たなやる気も湧いてきて、よいでしょう。

 最初は、当然うまくできない子供もいます。上手にできる子ばかりではありません。

 その子が少しでもできるように、上達するように、教師が支援していきましょう。

 日直当番のシステムがしっかり軌道に乗ってくれば、自分たちでクラスを動かしていく素地ができるとともに、担任がいなくても自学・自習ができる土壌ができていきます。

 クラスにそういった風土ができ上がるまでは、教師が中心となって指導を繰り返していくしかありません。頑張りましょう。

○給食当番について

 こちらも、子供たち自身がクラスを動かしていくための、とても重要なシステムになります。こちらも、4月当初にきちんと指導をする必要があります。

 毎週グループ毎に交代しながら活動を行うことが多いと思いますが、役割分担とやり方をしっかり指導し、当番表を明示して全員が分かるようにしておくことが大事です。

 まずは、当番一人一人が自分の仕事とやり方を分かっていることが何よりも大事です。

 給食時間になったら、白衣への着替えや手洗いに始まり、給食の運搬や配膳の準備など、一連の流れの中で、誰が何をするのかを明確にして、整然と行動できるようにします。

 しばらくの間は、地道な指導と根気強さが必要になります。

 また、特に大事なことは、やはりスピードです。

 活動の全てにスピード感が必要なことは以前にも伝えました。

 最初の頃は、できればタイムを計測し、その時間によって給食準備の評価をしていくとよいと思います。

 「今日の準備は○分○秒でした。昨日より2分早くなりました。すごい!」などです。

 スムーズにできるようになってくれば、時間を計る必要はありません。ただし、教師からの承認や賞賛の言葉をかけ、その行動の良さを価値付けしていくようにしましょう。

 当番以外の子については、静かに席で待つこと(読書でもよい)を指導します。

 また、最近は、特に食物アレルギーの子供への配慮から、全員でその確認をすることも必要です。場合によっては、何度かに分けてチェックすることもあります。 

 チェック漏れや該当児がうっかり食べてしまうことがないように、校内でチェック体制をしっかりと確立しておくことが大切です。

 盛り付けについては、食べられる分量を考えて最初に減らしてもよいことを伝えます。(ただし、できるだけ食べる努力をすること)

 配膳で余った分は、教師が配っていくとよいでしょう。なおかつ余った分は、最後に早く食べた人がおかわりをしてもよいなど、これもルールを明確にしておきましょう。

 給食を無理に食べさせるようなことはしません。先ほどのアレルギーもあるからです。

(私などは、いつも休み時間に教室に残って食べさせられたものですが…)

 給食中は、明るく談笑しながら食べることを楽しみましょう。(コロナ禍で「黙食」が浸透しましたが、やはりよいものではありません。最後の5分は「黙食」タイムもよいです)

 そして、後片付けです。

 牛乳パックやストロー(袋)をグループでまとめたり、食器やお盆を重ねて持っていくなど、グループで協力して片付けをするルールをつくることで、迅速かつきちんと片付けができるようにしておきます。

 ごみが散乱している場合には、片付けをしてから休み時間にするなどルールを決め、常にきれいな教室環境を保つことを意識させたいものです。

「係活動」

 当番活動が「みんなが学級生活を安全・安心に過ごすために必要となるもの」とすれば、係活動は「みんなが学級生活をより楽しく充実させるために必要となるもの」になります。

 一人一人の個性を生かした、おもしろい係があると、教室内が明るくなります。

 ぜひアイディアを出し合い、みんなが楽しく笑顔になるような係活動を考え、実行していくようにしましょう。

 子供たちも喜んで考え、個性を発揮することでしょう。係のネーミングなどは、「へ~、なるほど!」といった、とてもおもしろい名前を考えるものです。

 子供たちにとって、係活動はとても大切な時間です。子供同士の関係づくりにもつながっていきます。

 教師がこうした時間をしっかりと確保し、計画的に実行していくことで、子供たち自身が楽しいクラスをつくっていこうという気持ちを高められるようにしたいものです。

 

 今回は、「タテの関係づくり」Ⅲ 教室環境をつくるー③ 仕事環境を整える でした。

 これまで、教師と子供との「タテの関係づくり」について書いてきました。

 次回は、「タテの関係づくり」のまとめ とします。

 その次からは、教師と子供との「ヨコの関係づくり」に迫っていきます。

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