27 学級経営のイロハ⑬「タテの関係づくり」(Ⅲ 教室環境をつくる-①言語環境を整える)

 

 今回からは、Ⅲ 教室環境をつくる です。

 ポイントは、3つ。

① 言語環境を整える(言葉を大切にする、言葉の心への影響、言葉にこだわる)

② 教室環境を整える(教室の清掃、整理・整頓、物の扱い方)

③ 仕事環境を整える(日直や給食などの当番活動、係活動)

 まず、① 言語環境を整える です。

「言葉を大切にする」

 言葉遣いを正すということを含め、「言葉を大切にする」ということです。

 よく「言葉には力がある」とか、言霊(ことだま)と言って「言葉にも魂がある」などと言われます。

 人は、言葉を通して、いろいろな感情や思い、考えなどを発します。

 どんな言葉で伝えるか、どのように伝えるか、いつ伝えるか、何回伝えるかなど、その人の伝え方次第で、相手への伝わり方が大きく違ってきます。

 ある人は、その言葉を聞いて大きく感情を揺らしたり、納得して行動を変えたりします。

 それほど言葉には大きな力があるということを、私自身もこれまで何度も見て、経験してきました。

 だから、よりよい教育をするために、言葉の力を十分に使いたいと思うのです。

(そういう私も若い時は、あまり言葉の力を信用していませんでした。多くの素晴らしい先輩から学びました。今は、そのことを人に伝えたいと思っています)

 「言葉を大切にする」具体的な指導としては、

・進んで挨拶をすること(教師だけでなく、子供同士でも)

・気持ちのよい返事をすること

・相手の立場や気持ちを考えて、言葉を使うこと

・丁寧な言葉や敬語を使うこと

・優しく温かい言葉を使うこと などです。

 授業中を含め、生活全般においてこうした意識をもたせるとともに、実際に使えるようにその都度指導していきましょう。(当然教師も言葉を大切にし、同様に行動します)

「言葉の心への影響」

 「言葉を大切にする」ことで、当然人の心や気持ちにも、よい影響を与えます。

 言葉一つで、人の心が明るくなったり暗い気持ちになったりします。

 「言葉の心への影響」についても、それぞれの経験を交えながら話し合いましょう。

 こうした「言葉のもつ力」を感じ、よりよい方向に生かしていくようにしたいものです。

 教室内に言葉を大切にしない様子や良くない状況が見られた時には、毅然とした態度で指導しましょう。

 言い方のやり直しをさせたり、伝え方の振り返りをさせたりする指導が必要になる場合もあるでしょう。

 厳しくも丁寧な指導が必要です。それが教師と子供とのタテの関係をつくっていきます。

 子供たちは、そうした言葉を大切にする教師の姿を見て、学んでいくものです。

「言葉にこだわる」

 国語や道徳の学習などでは、特に「言葉にこだわる」ことを大切にしましょう。

 言葉には、いろいろな意味やニュアンス、イメージなどがあります。

 一人一人がもっているものは異なることが多いですが、だからこそ、言葉にこだわり、その言葉から何を読み取るのか、どんな意味や違いがあるのかなどを深く考えるようにしたいものです。

 また、自分だったら、どんな言葉がふさわしいと考えるか、どんな言い方をすればよいのかなど、実生活に生かしていくことができるように言葉を通した学びを深めていくことが大切です。

 クラスの中に優しくて温かい言葉や、人を勇気づけたり励ましたりする言葉が飛び交う、そんな「幸せ言葉」があふれるクラスをつくりたいものです。

 そのためにも、「人を幸せにする言葉」について話し合ったり、教室内に「幸せ言葉」を掲示したりすると良いです。

 言葉遊びとして、次のような例もあります。

<幸せ言葉の50音>

あいうえお … ありがとう  いいね うれしい ええどうぞ おめでとう 

かきくけこ  … かっこいい っとできる ふうしてるね がはない? んにちは

…など

 子供たちで考えたり話し合ったりしながら、こうした良い言葉を子供たちがいつも意識し、日頃から使ったり広めたりしていけるとよいです。

 

 今回は、Ⅲ 教室環境をつくる-①言語環境を整える について書きました。

 次回は、Ⅲ 教室環境をつくる-②教室環境を整える について伝えます。

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