学級経営における「タテの関係づくり」(Ⅰ 生活規律をつくる)について、より詳しく伝えます。
1 生活規律をつくる
「学校では、このようにして過ごす」といった生活のルールを決めることです。
これは、クラスの約束ともいえます。(教師が一方的に約束させる訳ですが … 笑)
登校から帰りの会まで、一日の全ての学習活動を確認、説明した上で、その時間と過ごし方のルールを伝えます。
それぞれの学習活動の時間については学校全体で決まっているため、共通理解しやすいと思います。
問題は、「過ごし方のルール」です。
これは多種多様にあるため、はっきりさせておかなければなりません。
重要なポイントは、次の3つです。
①教師の話を聴くこと
②時間を守ること
③いじめを許さないこと
①教師の話を聴くこと
学級経営における「タテの関係づくり」の根幹を成すと言っても過言ではありません。
何をおいても、子供たち全員が着席し、教師(担任)の話を聴く(聞くではありません)ことが大切であることを伝えましょう。
その際には、手を止めて、良い姿勢で、目をつないで話を聴くように徹底します。
ここを曖昧にしてはいけません。特に、最初が肝心です。
これは、緊急事態などの際に、教師が子供たち全員の安全・安心を保障する意味でも、徹底すべきことです。
人の話をしっかり聴くことの大切さについては、折に触れ指導していく必要がありますが、まずは教師の話を聴くことを最優先するくらいの意識をもたせることです。
この指導ができない、または、いい加減な教師では、いつまで経っても良い学級経営はできません。
教師は、教室で唯一の大人です。ここは、絶対的なリーダーシップを発揮する必要があります。
先生が話し始めたら、全員がさっと反射的に反応し、手を止めて静かに聴くことに集中するくらいの子供たちの姿や状態をつくりましょう。
この姿や様子は、決して兵隊や軍隊といった従属的な姿、形ということではありません。
むしろ、信頼関係に基づく師弟関係から生まれるものだと理解し、実際にそうなるよう努力しましょう。
なお、教師が話している途中に、言葉を挟んだり質問をしたりする子供がいるかもしれません。
これに一つ一つ対応したり、それを許したりしてはいけません。
教師の話は最後まで聴くこと、質問は後で必ず時間を取るので、それまで控えるなど、事前に基本的な話の聴き方やその際のルールについても指導しておくことが必要です。
その上でそういう子供がいたら、もちろん優しく、しかし、毅然とした態度で対応しましょう。
このような指導は、必ず4月の学級開きで行い、しっかりと話を聴くことができるクラスにしていくことが大事です。
教師が子供たちに話をする際は、簡潔で分かりやすい説明や、迅速で的確な指示を出すことが求められます。
「話すこと」は、思っている以上に奥の深いものです。
教育のプロとして、教師は常にその力を高めていく努力をしなければなりません。
さらに、「教室環境をつくる」のところでも触れますが、教師自身、全体に話をする時には、丁寧で整った言葉を使いましょう。
当然ですが、「早くしろ!」や「お前は・・・」などは、もっての他です。
「素早くやりましょう」や「あなた(君)は・・・」など、誰が聞いても丁寧で落ち着いた言葉だなと思えるような言葉遣いをしましょう。
次回は、②時間を守ることについて伝えます。