以前校長をしていた学校で、学校経営方針として次のような重点目標(1年間)を掲げ、教職員に伝えたことがあります。
~「自分大好き 友達大好き 先生大好き」があふれる 幸せな学校(○○小)~
(「自分大好き」→ 子供一人一人が、自己肯定感や自己有用感が高く、居場所がある状態
「友達大好き」→ 友達との関わりを通して、仲間と呼べるような良好な関係がある状態
「先生大好き」→ 学習や活動等を通して、先生に尊敬や憧れの気持ちを抱いている状態)
「こんな単純で曖昧な重点目標で、本当に大丈夫?」…などと思ったかもしれませんが、私はいたって真面目で、真剣に考え、提示したつもりです。
漠然とした目標ですが、決して簡単に達成できる目標ではありません。当時の学校の子供たちの様子や状況を元に、こんなクラスがあふれる学校だったら素敵だなあと心から思い、イメージしたところから考えました。
自己肯定感が高く、仲間と呼べる友達がいて、先生のことが大好きな子供たち…そんな子供たちやクラスを育て、つくっていく教師がいる…そんな人たちであふれる学校だったらいいなと思います。
この1年後の結果が気になるところだと思いますが、私としては、それなりに近づいたのではないかという感触をもっています。それまで結構荒れていたというか、ばらばらだった子供たちが、心や気持ちの面で随分落ち着いたからです。
もちろん、教職員一人一人の気持ちや資質・能力、頑張りが結果をもたらしたことは、言うまでもありません。
複数あった、落ち着きのないクラスや崩壊ぎみのクラスが1つもなくなったという事実が、まさにそのことを示していると思います。
ところで、「教師は、授業で勝負」という言葉を聞いたことはありませんか…?
私はこれまでたくさんの先輩教師や講師の先生から、この言葉を聞いてきました。
その度に「いい言葉だなあ」と思いながらも、いつも我が身を振り返って自己嫌悪に陥るのでした。
個人的なことですが、私は新しいクラスをもった時は「よい授業をしたい」というよりは、「よいクラスをつくりたい」と思って学級をスタートします。
「よい授業の土台は、よいクラスにある」と思っているからです。もちろん授業の中で、よいクラスづくりを進めていくことが重要です。
あなたにとって「よいクラス」というものは、明確になっていますか…?
もしも「明確になっていない」というのであれば、少し考えてみてほしいと思います。
あなたはどんなクラスを目指していきたいのか、どんなことを子供たちに伝えていきたいのか…今年1年のクラスの青写真を描くということです。
できれば、ノートや紙面に書き出してみてほしいです。
そうやって、自分が目指すクラスをイメージし、更に具体的な計画に落とし込んでいってほしいと思います。
頭の中で考えるだけでなく、実際に書き出して目に見えるようにすることで、それまで漠然としていた思いやぼんやりしていた考えなどが、より鮮明なものになってくると思います。
ぜひやってみてください!