先日の新聞に、「教員の離職者が過去最多」という記事が掲載されていました。
しかも、「精神疾患による離職」が大多数を占めているとのことです。
前回、産・育休代員の配置の問題を挙げましたが、同様にこのことも非常に大きな問題だと感じています。
新聞記事の中には「文科省は、教育における喫緊の課題であるとしている」と書かれていました。
教育界では、この「喫緊の課題」という言葉がよく使われますが、こうした喫緊の課題に対して、即座に何らかの解決が図られた(方策が実行された)ということは、ごくまれのように感じています。もちろん「時間がかかるから」という理由も分かります。
しかし、本当に「喫緊」と言うほど事の重大さを感じているのかどうか、私には疑問に思えてなりません。
要するに、「本当に自分事として捉えているのか…」と思わずにいられないのです。
「少子高齢化」の問題にせよ、「教員離れ」の問題にせよ、どこか他人事のようにしか捉えていないからこそ、今の状況を招いてしまったのではないかと思います。
結局は、自分の問題ではないといった気持ちがあるから他人事のようになってしまっている訳です。そこにこそ大きな問題が横たわっているように思うのですが、どうでしょう。
「少子高齢化」も「教員離れ」も今になって初めて出てきた問題ではなく、ずっと以前から「喫緊の課題」とされ、十分分かっていたことです。
今のような事態になることは、随分前から明らかだったはずです。
「まさかこんなことになるなんて、…信じられない」というのなら、仕方がないと思います。しかし、決してそうではないです。
「このままいけば、大変なことになる」と分かっていたにも関わらず、なのです。
そして、まさに今、その「大変な事態」になってしまっている訳です。…と私が言ったところで、現状は何も変わりはしません。
だから、私も自分にできることを考えていかなければならないのですが、今のところ抜本的な解決策はなかなか見当たりません。
ブログなどを通して、思いや意見、考え方、経験などを発信することで、離職しようとする教師を少しでも思いとどまらせ、離職数を減らすことぐらいしか、今の私には思いつきません。
ですから、私自身も偉そうなことを言う資格はないのでしょう。
しかし、日本の教育の最先端にいる人たちには、今の教育を何とか多くの日本人が納得できるようなものに変えていってほしいと思います。
今の日本の教育には、「喫緊の課題」が多すぎます。
課題をそのままにし過ぎてきたと言った方がよいかもしれません。
真剣に対することなく、その問題が積み上がり過ぎた結果が、現在なのではないでしょうか…。
前回書いた「成長する教師…」ではないですが、政治家や文科省の方々には「成長する日本の教育」の方向性を指し示し、力強く推進していってほしいと願っています。
あなたは、こうした「教員の離職」や「精神疾患(心の病い)」の問題をどんなふうに考えますか…?
今後あなた自身にも大きく関わってくる問題でもあります。いや、もう既に大きな問題になっているかもしれませんね。
共に「自分にできることは何なのか」について、真剣に考えていきましょう。