楽しい夏休みを過ごしていますか。
毎日子供たちと接しておられる教師の苦労は、大変なものであると感じます。
言っても言っても聞かない子供や、指導した後から繰り返しルールを破り、人に迷惑をかける子供、相手の気持ちを考えず、自分のわがままを通そうとする子供など…いろいろな子供たちに指導する中で、そのストレスから教師がやる気を失ったり、心が折れそうになったりするのも無理はないでしょう。
私も今でこそなくなりましたが、若い頃は感情的になって怒ったり大声を出したりすることが時々ありました。
「なぜ、私の思いが伝わらないんだろう…」
「これだけ言っているのに、どうして分からないのか…」
そんなふうに思い、イライラしたり落胆したりするなど、心が大きく乱れることが結構ありました。あなたは、ありませんか…?
以前、ある講師の方の講話に、こういうものがありました。
相手に何度言っても思ったように行動してもらえず、ほとほと困ったAさんがメンター(人生における師)のBさんに、どうすればよいかと悩みを打ち明けた場面での話だそうです。
A:自分が思っていることが、なかなか相手に伝わりません。何回言っても言うことを聞かないし、人に何かを伝えるためには、繰り返し言うしかないと思っていますが、いったい何回言えばいいんでしょうか?
B:そりゃあ、相手に伝わるまでだよ。(回数は関係ない)でも、たいていの場合、人に伝わる前にあきらめてしまうんだけどね…。
人に何かを伝えようとして伝わらないのは、「相手の問題」のように思いがちだが、そうではなく「自分の問題」である、とBさんは言うのです。また、人には伝わらないのが当たり前であり、その相手に伝えようとしていないのは、他ならぬ自分なのだということです。
私は、「伝える」と「伝わる」の違いは、それなりに分かっているつもりでいましたが、この話を聞いて、「なるほど」と思ってしまいました。
とは言え、そんなふうに考えるのは、なかなか難しいですよね。
しかし、それ以来、できるだけ「伝わるまで伝える」工夫をしようと心がけるようになりました。すると、心が乱れることはいくらか少なくなったように思います。
それでも、思いが強く、それがなかなか伝わらないときには、やはりイライラしたり、気持ちが落ち込んだりする自分が今でもいます。まだまだ修行が足りないですね。
それからは、「相手に伝わるまで、対話を繰り返しなさい」と(天の声として)言われているような気がしています。だから、これからも対話を大切にしていこうと思っています。
人と人が理解し合うことは、本当に難しいです。でも、やっぱり大切なこと。
少なくとも「知り合うこと」「互いの違いを感じること」は、特に多様性の受容が叫ばれているこれからは、とても重要なことだと思います。
もっともっと対話をしましょう…先生と子供で、子供同士で、教職員同士も!