86 子供たちをどのように呼んでいますか…?

 時々、子供たちを下の名前で呼び捨てで呼ぶ教師がいます。

 ただ、私はお勧めしません。

 人によっては、子供たちに愛着をもった教師らしい行動の姿だとする見方もあります。(実は、若い頃の私がそうでした。青かったと反省しています)

 仮に、それが教師らしい行動(個性)であるならば、毎日の授業でも、学習参観の時でも、公開授業研のときでも、そうしているのかと考えてみればよいと思います。きっと、そうではないと思うのです。

 子供たち全員が、教師がそうすることを本当に求めているのでしょうか…?

 そうではなく、少なくとも求めていない子がいると思うのです。

 教師には、平等感が必要です。子供たち一人一人に平等に接するということです。

 それが、教育公務員が「全体の奉仕者」と言われるゆえんでもあります。決して、誰か(一部)の奉仕者ではないということです。

 名前の呼び方についても同様で、基本は全ての子供の名前に敬称をつけて呼ぶことです。(クラスに同じ名前の子がいたり、双子や兄弟がいたりする場合に、下の名前で呼ぶなどは当然のことです)

 また、大切なのは、その呼び方を聞いた全ての子供が納得するかどうかです。

 その子供によって呼び方を変えたり(姓で呼ぶ子と名前で呼ぶ子がいる)、呼び捨てや特別な呼び方(「Aちゃん」「○○っち」、あだ名など)をしたりするのは、やはり全ての子供が納得しないのではないでしょうか。

 教師は、その子の大切な個性の一つである名前を大切に扱い、敬意をもって「○○さん」(または○○くん)と呼びたいところです。

 子供たちに「さん・くんをつけて言いなさい」と指導している教師が違うことをしているのでは、子供たちからの信頼も徐々に薄らいでいくことでしょう。

 私は、「呼び捨て」は教師の自己満足ではないかと思っています。公教育の場において、相応しい教師の姿ではないと感じています。

 もし、どうしてもそうしたいという教師がいるのであれば、公教育ではなく、私教育の世界で生かせばよいと思います。

 例えば、社会教育と言われるクラブチームの監督やコーチ、企業団体(施設)における指導者や、町内や近所の子供たちとのコミュニケーションの場などで、ということです。  

 そういう立場や場所であれば、周囲から認められるかもしれませんし、思う存分個性を発揮できるのではないでしょうか…。

 ちなみに、スイミングコーチ時代の私は、全ての子供を下の名前で「呼び捨て」で呼んでいました。その時はコーチ全員がそうでしたし、そこではそれが相応しい(と思われている?)コーチの姿だったのです。

 その勢いで学校でも同じようにやってしまい、よくなかったなあと反省しました。

 あなたは、学校ではどうでしょうか…?

 クラスの子供たち全員が納得する呼び方をしているでしょうか…?

 ぜひ一度、振り返ってみてください。そして、子供たちをどういう風に呼ぶのがよいかについて、自分の頭で考えてみてほしいと思います。

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学校教育
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