公立の小・中学校では1学期が終わり、いよいよ待ちに待った夏休みを迎えます。
さて、1学期を振り返って、いかがでしょうか…?
子供たちの学力は、しっかりと身についてきているでしょうか。
「えっ…?」と思われた先生は、今一度振り返ってみてほしいと思います。
子供たちの学力といっても、一言では言い表せませんが、ここではざっくりと「各教科の到達度評価」と言えばよいでしょうか。
子供たちが身につけなければならない学習内容を、「概ね満足できる」というレベルまで子供一人一人が到達しているかどうかということです。
少し先の話になりますが、来年の3学期末には、教師(担任)は、子供一人一人にその学年相応の学力を、または4月当初にその子に付けようと考えていた学力をしっかりと付けて次の学年に送り出さなければいけません。
そのためには、目の前の子供一人一人が、十分な学力を身につけているか、成長を遂げているかどうかを、今の内から吟味しながら指導していく必要があります。
厳しい言い方ですが、これは教師としての務めです。
もしも、その力が十分についていないとすれば、それを身につけることができるよう今からでもその子への指導・支援をし直していかなければならないということです。
よく夏休みを利用して、特別学習教室を開く学校もあると思います。そうしないと、なかなか学習内容が分かるようにならない子も一定数いるのではないでしょうか。
また、教師としての指導力を改めて見直すよい機会でもあります。
夏季休業は、教師も多少時間に余裕があるので、ぜひ生かしてほしいと思います。
さて、教師であるあなたに振り返ってみてほしいことで、もう少し具体的なものをいくつか挙げたいと思います。【知・徳・体】の観点から、1つずつ取り上げます。
【知】ペア・グループ学習の積極的な導入と日常化
以前にも伝えたことがありますが、このペア・グループ学習の目的は、言うまでもなく、お互いに考えや意見を交換し対話を繰り返していくことで、「深い学び」に繋げていくことです。
これも繰り返しですが、教師が意識して取り組んでいくべきことだと私は思っています。
中には、子供たちの意識や状況、必要感に応じて、タイミングよく導入している教師がいます。そのクラスでは、子供たちがとても活発に意見交換をしたり、教え合ったりしている様子が見られます。
その教師の仕組み方が上手だなと思うと同時に、よく考えて活用されているため、子供たちが集中力を途切れさせることなく、意欲的に取り組んでいます。感心させられます。
これからは、やはりこのペア・グループ学習の場面をどの先生も意図的・計画的に授業の中に取り入れていってほしいと思っています。
つまり、授業の中でどのタイミングで取り入れるか、どういう形で行うかなど、その導入の仕方を事前に授業構想や教材研究の中で考えながら、意図的・計画的に展開していくということです。
「ペア・グループ学習」は、学習形態だと思ってはいけません。
より「深い学び」につなげるための効果的な手立てであることを理解し、取り組んでいってほしいです。
もちろん初期段階では形から入り、とにかく数をこなしていくことも必要でしょう。状況に応じて、その場で突然行うことがあってもよいと思います。
しかし、長い目で見て、少しずつペア・グループ学習の質を上げていかなくてはなりません。様々な導入の仕方を模索し、工夫していってほしいと思います。
【徳】と【体】については、次回とします。