組織内では、スムーズな「ホウ・レン・ソウ」が重要です。
しかし、私はそれよりも「雑談と相談=ザッソウ」の方がもっと大切だと思っています。
なぜなら、それがチームを明るく活性化し、教師の元気につながり、それが子供たちに大きなエネルギーとなって注がれ、多くの喜びや成長につながっていくと思うからです。
もちろん、教師として、教育的効果の高い指導や授業は必要です。資質・能力の向上も目指さなくてはいけません。そのための努力を惜しんでいては、よい教育などできるはずもありません。
ただ言い替えるなら、「ザッソウ」を活発化させることで、日頃からの人間関係やコミュニケーションが活性化し、「ホウ・レン・ソウ」もスムーズに機能していくと思うのです。
すなわち、「ホウ・レン・ソウ」をスムーズに機能させるためにも「ザッソウ」が大切だと言いたいのです。
ある学校(以前、子供たちの学力が上がったと伝えた学校)で、「ザッソウ・タイム」を取り入れたことがあります。
毎週火曜日の終礼後に、教職員全員で「ザッソウ(雑談と相談)」を行う時間を設定したのです。
そこでは、「今日の子供たちの良かったところ」や「今日、自分(教職員)が頑張ったこと」などをテーマに、ペアで伝え合うという取り組みを行いました。(時間は5分間。慣れてくると、テーマをいろいろ変えていきました)
最初は「みんな、どう思うだろう…」という不安がありましたが、始めてみたらそんな不安は、一気に吹き飛びました。5分が過ぎても、みんなやめようとしないのです。
こちらから「もうそろそろやめましょう」と声をかけて、やっと終了するといった様子でした。その時に思ったのは、「みんな本当は話したいことがいっぱいあるのだな…」でした。
恥ずかしさや照れ、苦手な人もいるけれど、人はやはりお互いのことを知り合ったり、伝え合ったりしたいものなのだと思いました。
だから、学校のみんなでもっともっといろいろなことを伝え合い、話し合えばいいと思います。くだらないことからでもいいのです。
もっとお互いを知り合いましょう、理解し合いましょう、相手(仲間)の人となりや良さを生かし合いましょうと言いたいです。
こう言うと、「仕事もしないで、おしゃべりばかりして」と顔をしかめる人もいますが、あのGoogleの組織論としても言われているではありませんか。「心理的安全性」のある組織こそが伸びるのだと…。
今の学校には、多少のおしゃべりはむしろ必要なのではないでしょうか。
また、現在教師が子供たちに一生懸命指導している「対話的・協働的に学び合う」ことを教師もぜひやるべきだと思います。
それは、何も授業の中だけのことではなく、職員室や職場でも積極的に行うべきことだと思うのです。
私は、「子供も大人も、生き生きと輝く学校」…そんな学校がいいなあと思っています。
「チーム学校」のメンバーである教職員一人一人が存分にその力を発揮するとともに、お互いの良さを生かし合う、素敵な学校をつくっていってほしいと思います。