71 「チーム」への思い…①

  最近はあまり聞かれなくなったと感じますが、10数年ほど前に、教育関連の中で「チーム学校」という言葉がクローズアップされたことがありました。

 この「チーム」という言葉を、私は物心がついた頃からとても大切に思ってきたような気がしています。

 あるとき、「どうしてだろう…?」と考えてみました。

 答えは簡単でした。「自分自身がチームスポーツが好きで、長い間関わってきたから」でした。個人スポーツが嫌いな訳ではありません。自身の特性からは個人スポーツの方が合っているのではないかと思うこともありました。

 学生時代に汗を流したチームスポーツ(野球)でも、私はいつも補欠選手でした。それにも関わらず、私はチームスポーツの方に、より魅力を感じていたのです。

 チームスポーツを通して、仲間と関わる中で得られる「刺激」や「学び」、共に高まり助け合いながら目的を達成しようとするその過程やゴールでの「大きな感激や達成感」が、自分自身の成長に大きな影響を与えてきたからだと思っています。

 もしかすると、弱い自分に打ち克つことが求められる個人スポーツから逃げていただけなのかもしれませんが…。

 「チーム」と言えば、感動的で忘れられないことが2つあります。

 9年前のことになりますが、地元の高校サッカーチームが県代表として初の全国制覇を成し遂げたことと4年前「ワンチーム」で話題になったラグビーワールドカップ日本代表チームの大活躍のことです。

 その高校のサッカー部(生徒のほぼ全員が地元出身者)が全国制覇に至るまでの全試合をテレビにかじりついて観戦しましたが、毎回大声で叫んだり、思いがけず涙したりするなど、言うのも恥ずかしいほど心から感動したことを覚えています。

 また、多彩な人種が集まったラグビー日本代表チームが国籍や文化を越えて力を合わせ、メンバー一人一人が自分で考え判断しながら(One Team となって)強豪チームを次々と撃破していく様は、私だけでなく多くの日本人の心を捉えました。

 私は、この2つのチームから、次のように考えるようになりました。

 こんなチーム力の高い、強いチームを学校という職場でつくることはできないだろうか…と。

 学校とスポーツにおける「チーム」を同じにしてはいけないのかもしれませんが、どんなに力のある人でも一人で成し遂げられることには限界があり、やはりチーム意識(組織意識といった方がよいかもしれません)は必要です。

 さらにこれまでのようなリーダーがその経験と実績を元に、強力な指示・命令を出して組織を構築していく【=野球型組織】ではいけない時代になったと思っています。

 私自身は、そうした指示・命令型の組織の中で厳しく育てられてきた時代の人間であり、一部には良い面もあるとは思っています。(もちろん体罰はだめです)

 しかし、これからの時代はその高校サッカーチームやラグビー日本代表チームのように、メンバーの一人一人が主体性を発揮し、自らの資質・能力を高め、コミュニケーションを通して協働しながらよりよいチームをつくっていこうとする意識の高い人材を育てていく【=サッカー・ラグビー型組織】が大切なのではないかと考えています。

 【野球型組織】と【サッカー・ラグビー型組織】については、次回に書きたいと思います。

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学校教育
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