学びの「インプットとアウトプット」は、いろいろなパターンが考えられます。
「聞いたことをノートに書く」「読んだことを人に話す」などのように、有効な方法を考え、工夫できるのではないでしょうか。
その意味で、「音読」はなかなかよい学習だと思っています。「見て・読んで(=インプット)」&「声に出す(=アウトプット)」学習だからです。(思考・判断・表現は、弱いですが…)
反対に、先生の話を聞くだけの授業は、当然「学び」にはつながりにくいということです。
以上は、個人内での学びの捉え方です。
これを、集団での一斉学習で考えてみます。話し合いを取り上げた場合、やはり全体で話し合うだけでは、深い学びは難しいのではないでしょうか。アウトプットする人や時間が限られてしまうからです。
もちろん、多様な考えに触れさせたり、貴重な意見を広めたりするなど、意図的に設定する場合は別ですが、いつも限られた子供たちの発言で進む話し合いには限界があります。
そこで、一人でも多くの子供が、インプット&アウトプットするための手立ての一つが、ペアやグループで聴き合い・伝え合う「対話的な学習」です。
ペア・グループ学習は、単なる学習形態の話だと捉えてはいけません。
それだとうまくいかないと断言できます。ただのおしゃべりになってしまうからです。
ペア・グループ学習は、効果的な手立ての一つと学んだ上で、取り入れていくとよいと思います。
そして、工夫し試行錯誤しながら、そのレベルを上げ、日常の中で当たり前のように仕組んでいけるようにしましょう。
毎時間とは言わないまでも、毎日の授業の中に計画的に取り入れ、まずは子供たちがその形態や型に慣れることが必要でしょう。
そして、徐々にその中身を深まりのある充実したものに発展させていくということです。
そうなるまでには、かなり時間がかかると思います。だからこそ、普段から地道に続け、レベルを少しずつ上げていくようにしなければなりません。
あなたが、いずれ「○○先生流のペア・グループ学習」なるものを自分のクラスで展開していかれることを期待しています。
少し大きな話になりますが、私は「人生は、アウトプット」だと思っています。
「インプット」は必要・不可欠なものですが、例えば、『テストでいい点数を取りたい、○○ができるようになりたい、人に思いを伝えたい、目当てを達成したい、友達と仲良くしたい、人の役に立ちたい』など、自分が望むことや成し遂げたいことは、最終的には、「アウトプット」になると思うからです。
「アウトプットするために、インプットする」と言えばよいでしょうか。
常にアウトプットを意識しながら、インプットしていくことが大切だと思います。
授業(子供たちが主体的に学んでいくこと)も、同様だと思っています。
学びの「インプットとアウトプット」は表裏一体と捉え、授業にどんどん取り入れていきましょう。