48 学級経営のイロハ34「子供同士が褒め認め合うクラスへ」

子供同士が褒め認め合うクラス

 大人も子供も、やはり「褒められると嬉しい」ものです。

 教室で教師や友達に褒められることが多いクラスと、ほとんど褒められないクラスでは、大きな違いがあると思います。

 「あなたが子供だったら、どっちのクラスがいいですか?」と聞かれたら、きっと誰もが前者と答えるでしょう。

 褒められることが多いクラスでは、子供たちの笑顔が多くなります。笑うことが増えます。嬉しいことがいっぱいになります。

 「褒められる」ということは、相手から「認められる」ことでもあります。

 「褒められる」ことが増えていくと、「自分はクラスの中で認められている」という感覚が芽生えていきます。そして、これが積み重なっていくと、「クラスに自分の居場所がある」「楽しいクラスでよかった」という安心感をもてるようになっていきます。

 これは、とても大事なことです。実は、これがないクラスでは、いじめや不登校が増えると私は考えています。

 そうだとすれば、教師はこの「褒め認められる」という承認の感覚を子供たちにもたせるようにすることが大切ということになります。

 「でも、そんな簡単にはできないよ」という言葉が聞こえてきそうです。

 確かにそうですね。決して簡単なことではありません。

 では、どうすればよいのでしょう…。

 まずは、クラスにそういう「褒め認め合う」システムをつくりましょう。

 つまり、子供たちが「褒め認め合う」時間を意図的につくるということです。毎日です。

 それが、帰りの会での「今日のキラキラさん」や「ほめ合いタイム」などです。

 よく行われているのは、その日の日直当番が前に立ち、他の子供たちが日直当番の良かったところや頑張りを順番に伝えていくというものです。

 「今日のキラキラさん」は、同じように毎日誰か一人の子を決め、他の子供たちが順番にその子のよさや頑張っているところを伝えていくといったやり方です。順番に行っていくので、全員がみんなから褒められる日が必ず回ってくることになります。

 朝の内に、「今日のキラキラさん(褒める子)」をみんなに伝えておけば、その日はみんなが何とかしてキラキラさんを褒めようと、一生懸命よいところを探したり観察したりするようになります。当然最後には、教師もキラキラさんを褒めます。

 要は、今日は全員で○○さんを褒める日と決めて、それを実行するということです。

 ちょっと不自然な感じもありますが、そんな日があってもよいのかなとも思います。

 ただ、必ず突き当たる問題がマンネリ化です。

 最初は、子供たちも喜んで取り組みますが、その内だんだん伝えることがなくなったり、友達と同じようなことを言ったり、飽きてきて「やらされ感」が大きくなってしまったりします。そうなると、あまり意味のない活動になっていってしまいます。

 しかし、「だからやらない」という理由にはなりません。

 子供同士が互いを「褒め認め合う」ことは、学習や仕組みとして意図的に取り入れていくことで、クラスにそういう空気を生み出そうとする積極的な試みです。

 これは、やはり教師がやるべきことです。そして、工夫が必要です。

 先ほどの「キラキラさん」にしても、いろいろなパターンを工夫することができます。

 例えば、言うことがなくなってくるようであれば、グループの友達と話し合ってから言うようにするとか、マンネリ化を打開するために、ゲーム的な要素を加えてカードに書いて渡すようにするとかです。

 時には、5分程度の時間で教室内を歩き、BGMが止まったところで誰かとペアをつくり、ジャンケンをしたり相手の良さを伝えたりする「褒め合いゲーム」をしてもよいでしょう。

 とにかく、いくつもやり方を考え、試していくのです。

 うまくいく場合もあれば、そうでない時もあるでしょう。月毎にやり方や伝え方を変える方法もあります。

 いつも同じパターンではなく、逆にキラキラさんが自分のよさをスピーチしたり、得意なことを披露したりするなど、進め方に工夫を凝らし、子供たちがより喜びそうな方法を模索していくことが大切です。

 子供たちから、アイディアや方法を提案させるのもよいでしょう。むしろ、子供たちで考え、自分たちで褒め認め合う明るいクラスにしていくための案や方策を進んで出すようになることこそ願っていることです。

 ただ、まずは教師がその土台づくりをしていくことが先決です。

 やがて子供たちが進んで褒め認め合うようになっていくことでしょう。

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