46 学級経営のイロハ32「子供や保護者とつながる」

 今回は、「ヨコの関係づくり」にも関わる内容です。

子供や保護者とつながる

 あなたは、クラスの子供が欠席した時に、必ず家庭連絡をしていますか?

 中には、3日連続で休んだ時に初めて家庭連絡をする、という人もいるかもしれません。

 教師によって、または学校によって多少温度差があるかもしれませんが、私は毎日連絡するのが基本だと思っています。

 それは、「子供とのつながり」という面から、とても大切なことだと思うからです。

 子供が学校を休むというのは、何か理由があるからです。病気の時もあれば、定期的な健診や習い事による疲れ、精神的な理由や家庭の事情の場合もあります。

 いずれにせよ、子供が学校を休んでいることを、常に教師が気にしているということが大事です。また、もし気にしているのであれば、たいていは家庭に連絡をするはずです。

 その子が、今日1日家でどんなふうに過ごしていたか、現在の状況や明日の予定なども知りたいでしょうし、確認もしたいはずです。

 そんなふうに、教師がその子のことを気にしているということは、必ずその子に伝わります。もちろん、保護者にも伝わります。

 その時、子供や保護者はどんなふうに思うでしょうか。

 家庭連絡をするかしないかで、相手がもつ印象や思いは、思っている以上に違います。

「先生は、ぼく(私)のことを心配してくれている。うれしい」

「先生は、我が子のことをいつも気にしてくださっている。ありがたい」

などのように、子供や保護者は、そういう思いや気持ちになっているでしょうか。

 こうした関わりの繰り返しが、人とつながれるかどうかの違いといってもよいと思います。

 些細なことと思うかもしれませんが、日頃からのちょっとした教師の言動の積み重ねが、子供との人間関係や信頼関係を左右します。

 一見「当たり前」のことを毎日続けられるかどうかが、素敵なクラスをつくれるか、信頼される教師になれるかに影響してくるのです。

 その意味では、欠席した時やいつもと違うことがあった時は、チャンスといえます。その子供や保護者と関わるチャンスだからです。

 家庭連絡を面倒に思う時もあるかもしれませんが、「よし、関わるチャンスだ!」と思い、喜んで(?)連絡したいものです。

 また、家庭連絡は、欠席した初日や何か出来事があってすぐのタイミングであることが重要です。

 このタイミングを逃すと、手遅れになったり間が抜けた状態になったりしてしまいます。

 学校現場では、とにかくいろいろなことを早めに(すぐに)対応することが肝心です。

 早めに対応することで、悪い方向にいくことはほとんどないと心得ておきましょう。

 欠席の場合で特に気をつけなければならないのが、不登校やいじめのケースです。

 そうなる前に、その子供と話や相談をし、しかるべき対策が取られていることが理想的ですが、そううまくいかないこともあるでしょう。

 家庭連絡をして、初めて発覚するケースもあります。その場合も、当然すぐに対応です。

 また、担任一人が抱え込むのではなく、必ず学年の先生にも伝え、管理職にも相談することが重要です。場合によっては、特別対策チームをつくるなど、組織的な対応になるかもしれません。

 こういった事態に発展する場合もあるため、日頃からこまめに家庭連絡を取っておくことは大切です。

 忙しい時には、後回しになったり連絡するのを忘れてしまったりすることもあると思います。それを避けるためにも、朝の内にメモを残しておくなど、その日の内に適切なタイミングで家庭連絡ができるようにしましょう。

 また、家庭連絡の際には、欠席理由の話だけでなく、その子が最近頑張っていることを本人に伝えて褒めたり、気になっている出来事がないか保護者に聞いたりして、その時にしかできないような情報や話題の共有、関わりの場をもつようにしましょう。

 もう一つ言うならば、何かがあった時の個への対応も大事ですが、日頃からの子供たちへの関わり方も工夫したいものです。

 例えば、私は次のようなことを教室で行っていました。

・毎日全員の子供と言葉を交わす(朝教室に入ってきた子供一人一人と挨拶を交わす)

・下校時、子供全員とハイタッチ(握手)をしてから帰すようにする

・その子の誕生日を全員で祝う(給食時に牛乳で乾杯をする。みんなで「ハッピー・バースデイ」の歌を歌う) など

 子供たちとの日頃のちょっとした関わりや気持ちがほっとするような心がけも、大切にしたいものです。

 子供や保護者と密接に関わることで、より深い人間的なつながりを築くことが可能になります。ぜひ意識して取り組んでいきましょう。

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