「ヨコの関係づくり」4つ目のテーマは、クラスに「笑い」をつくるです。
あなたのクラスに、「笑い」はありますか?
もしも、あまりないというのであれば、「笑い」のあるクラスを目指してみませんか?
「笑い」には、人を和ませ、人を楽しくさせ、人を明るくさせる力があります。
そんな「笑い」は何から発生するかというと…圧倒的に、人からです。
まずは、教師が率先してクラスに笑いをつくりましょう。
子供に任せていてはいけません。(得意とする子供はいるでしょうが…)
「笑い」とは、「お笑い」ではありません。楽しいお話のことです。
人は誰でも、楽しい話、おもしろい話、笑える話が好きです。
子供も同じです。いやそれ以上に、大好きです。
そういう話を通してクラスに「笑い」を起こし、みんなで笑い合うことは、子供たちを笑顔にし、クラス全体を明るい雰囲気にします。
あなたも子供だったら、「そんなクラスがいいなあ」と思いませんか。
だから、教師は積極的にクラスに「笑い」をつくり、子供たちとの人間関係やクラスの雰囲気をより楽しく、明るいものにしていくことが大切です。
「笑い」は人間関係の潤滑油と言われ、人と人との関係に潤いをもたらしてくれます。
学校生活でも同様で、「笑いのあるクラスに、いじめは起こりにくい」とまで、言われています。そのとおりだと思います。
「笑い」によって、ヨコの関係づくりを一気に加速させることができます。
もう一度聞きます。あなたのクラスに、「笑い」はありますか?
あまりないというのであれば、今日から笑いをつくっていきましょう。
楽しくて、おもしろくて、つい笑ってしまうような話をたくさんするのです。
私は、朝の会などに「昨日の出来事」として、よく話をしました。
特に家族の話として、家ではみんながこんなふうに並んで寝ているとか、○○(家族の名)は、寝相がものすごく悪くて、いつも夜と朝でその位置が全く変わっていてびっくりすることなど、わざとおもしろおかしく話すのです。(時には、かなり誇張した言い方もありだと思います。また、怖い話があってもよいと思います。子供たちは嫌がりながら怖い話も好きです)
子供たちはどっと笑います。この時、クラスの中に何とも言えない一体感が生まれるのです。みんなが明るい雰囲気の中、いい意味で感情を発散させる、とても素敵なひとときです。
毎日の生活の中に、ぜひそんな素敵な時間をつくっていきましょう。
そして、これは教師が意図的につくっていくしかありません。
そう言うと、「私は、笑いのセンスがないからダメです」と言う人がいるかもしれませんが、センスの問題ではありません。
事前に準備さえしておけば、できます。多少の練習は必要ですが、慣れれば大丈夫です。
18番といえるような話をいくつかストックしておけるようになるとバッチリです。
その内、『もっと(話を)して』という子供たちが出てきます。
そうなるとしめたものです。ただし時間のこともあり、それ以上はしませんが…(笑)
こうした雰囲気や風土がクラスの中にでき上がっていくと、子供たちからも楽しくておもしろい話が自然と出てくるようになります。
そうなれば、教師の出番もずっと少なくなります。それでよいのです。
むしろ子供たちの方が、よほど上手に話します。その方がよいです。
教師は、一緒になって笑っていればよいのです。練習も要らず、楽です。
そうなるまでは、教師が中心となって「笑い」をつくっていくしかありません。
もちろん私たちは芸人ではないので、そういった専門的な知識や能力は必要ありません。
ただ「教師は五者たれ(※)」の話からも、いろいろな力が求められます。
(※「教師は、五者たれ」とは・・・諸説あるようですが、下記のような意味です。
教師とは、「学者のように、子供に学び教え」「医者のように、子供を診て」「役者のように、子供を魅了し」「易者のように、子供の未来を想像し」「芸者のように、子供に寄り添う」人でありなさい)
芸人ではなくても、人に「笑い」を提供できる役者的な資質・能力も身につけなければならないのが、教師という仕事かもしれません。そう思う今日この頃です。(笑)