30 学級経営のイロハ⑯「タテの関係づくり」(まとめ)

 今回は、これまで話してきた「タテの関係づくり」のまとめです。

「タテの関係づくり」のまとめ

Ⅰ 生活規律をつくる

 ① 教師の話を聴くこと

 ② 時間を守ること

 ③ いじめを許さないこと

Ⅱ 学習規律をつくる

 ① 学習の心構え

 ② 学習時の言動

 ③ 学習する意味

Ⅲ 教室環境をつくる

 ① 言語環境を整える

 ② 清掃環境を整える

 ③ 仕事環境を整える

 「タテの関係づくり」のために、これらのことを実行していくにあたり、改めて意識しておきたいポイントを次に挙げます。

クラスのルールや約束事を明確にし、文字に表したものを教室内に見えるように掲示しておくこと(中核となるもののみ掲示し、たくさん貼らない)

問題やトラブルが発生した時には、学級目標と同様、そこに立ち返ったり拠り所にしたりすること

十分な時間を取って話をし、それらが子供たち全員に共通理解されていること

クラスが、担任と中心とした規範意識や学習意識が高く、秩序ある集団であること

クラスの目指す方向がはっきりとしていて、目的意識の高い学習集団であること

子供同士で、弱肉強食や上下関係の力が働かない集団であること

学級生活全般に、(だらだらせず)テンポとスピード感があること 

これらのことが、教師がそばにいなくても実行できるクラスであること

(子供たちを鍛えるということです)

などです。もちろん、全てにおいて完璧である必要はありません。

 時には守られないことや問題が発生することもあるでしょう。それが普通です。

 しかし、こうした基本的なルールがクラスにないと、教師と子供とのタテの関係づくりは成功しません。まずは、そのことを肝に銘じて学級経営を行なっていくことが大切です。

 最後に、もう一つ意識したいことを伝えます。

「タテの関係づくり」の勘違いについて

 タテの関係づくりを一生懸命実行しようとするあまり、時々勘違いをしてしまうことがあります。

 それは、下記のようなことです。

いつも怖い表情をして、子供たちを威圧している

大きな声で怒鳴ったり、感情的に怒ったりする

子供たちを呼び捨てにしたり、ぞんざいに扱ったりする

たくさんのルールでがんじがらめにし、クラスに息の詰まるような雰囲気をつくる

子供が問題を起こした時に逃げ道をつくらない(物事や内容によりますが…基本的に、子供は弱いものです。ただし、いじめの場合などは容赦しません)

反抗的な子供に、嫌味を言ったり、みんなの前で困らせたりする

忘れ物やできないことを、一覧表などにして掲示する などです。

 実はこれらは、私の失敗の数々です。教師として、大変恥ずかしい限りです。

 こうした失敗を通して人は成長していくものなんだと自分に言い聞かせ、開き直っている私です。(皆さんは、そうではないと思っています)

 教師がつい感情的になって行動したり、管理主義的になったりするのはよくありません。

 そうなると、やがて子供たちはどんどん教師への信頼をなくし、離れていってしまうでしょう。

 よく見られるのは、その教師の時は落ち着いたクラスに見えているが、次の学年になって担任が替わったとたん、クラスが一気に崩れるというものです。

 これは、その教師のことを怖がっていた子供たちが、信頼ではなく、恐怖心からその教師に仕方なく従っていただけ、というパターンです。決して認められる教師の姿とはいえません。やはり、子供たちとの信頼関係を元にした関係づくりを行っていきたいものです。

 このあたりの見極めやさじ加減は多少難しい面もありますが、常に大人であること、教師であることを自覚し、自分自身を高めていかなくてはならないと思います。

 子供たちは、優しい教師が好きなのではありません。優しさの中にも厳しさのある教師を求めています。やはり、人として手本となる、そんな大人を求めているのです。

 これまでは、教師と子供との「タテの関係づくり」について見てきました。

 しかし、それ以上に大切な関係づくりがあります。

 それが、次回からの「ヨコの関係づくり」です。楽しみにしていてください。

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