26 学級経営のイロハ⑫「タテの関係づくり」(Ⅱ 学習規律をつくる-③学習する意味)

 今回は、Ⅱ 学習規律をつくる- 学習する意味 です。

 大切なこととして、必ず4月当初に伝えます。

 「学習の意味」と言っても様々ですが、私は「自ら学ぶこと」の大切さを子供たちに熱く語ります。

 このことは、子供たちにとって「なぜ学ぶのか」を考えることにつながり、さらに大きなテーマである「自律」と「自立」にもつながると思っています。

 子供たちにとっては少し難しいかもしれませんが、私の場合は、次のように話します。

 「学ぶことは、子供の時だけの話ではなく、大人になっても大切な、人として一生続けていく営みです。学校では、いわゆる勉強もそうですが、たくさん学ぶことがあります。学び方もいろいろですが、大切なのは、『自ら学ぶこと』です。人は、学ぶことで成長します。…自分なりに学ぶことの大切さやその意味を考えましょう。大変だと思うこともあるでしょうが、人から言われるからではなく、自分から進んで学ぶ人になりましょう」

 「自ら学ぶこと」の大切さについて話した後は、学び方についての話をします。

 「聞く・話す・読む・書く」ことをたくさんしましょう、ということです。

 これらは、大きなワクで言うと、いわゆるインプットアウトプットに分けられます。

 簡単に言えば、「聞く・読む」インプット「話す・書く」アウトプットです。

 学習方法として、これらはどれも大切であり、教師は意識しながら工夫して取り入れるようにしていきましょう。当然、子供たちにも意識させるようにします。

 「聞いて終わり」ではなく、「聞いたら書く」というふうに、続けて行うのです。

 「読んで終わり」ではなく、「読んだら話す」というように、セットにするのです。

 毎回でなくてもよいですが、こういった学習の仕方を意識していくだけでも学習の定着の度合いや力の高まりが違ってくるはずです。

 インプットとアウトプットを交互につなげたり、軽重をつけながら繰り返し行ったりする学習は効果的であり、今後ますます計画的に行うことが必要になると考えています。

 日本の学校教育は、昔からインプット中心の学習が多いですが、むしろアウトプットを中心とした学習をどんどん進めていくべきだと思っています。

 学習過程にインプットだけでなく、必ずアウトプットすることを取り入れ、どのようにアウトプットさせるか、アウトプットにどれだけ時間を割くかなど、プロセスを工夫した学習を大事にしていきたいものです。

 イメージとしては「アウトプットのためにインプットする」くらいが良いと思います。

 学びは、アウトプットしてこそ、インプットが生きてきます。インプットしたことを基にアウトプットし、それを再びインプットに生かして、またアウトプットする、さらに、これらを何度も繰り返していくことで、より学びが深まっていくと考えています。

 日本人が世界の中で弱いと言われている「アウトプット力」。

 堂々と自分の主義・主張を伝えたり、積極的に個性を発揮したりする資質・能力をもっと高めていく必要があるのではないでしょうか。

「聞く」

 「聞く・話す・読む・書く」の中でも、最も大切なのは「聞く」ことだと思っています。

 学習の最も基本となる行為であり、これが弱いと、他の全ての学びに影響します。

 できれば「聞く」よりも、「聴く」のレベルを目指したいところです。(難しいですが…)

 以前「教師の話を聴く」という話をしました。授業の中ではもちろんそれだけではなく、友達の意見や話を聴くことが大切になってきます。

 例えば、次のように聴き方を指導する必要があります。

・目をつないで「聴く」

・話し手に体を向けて「聴く」

・最後まで静かに「聴く」

・反応(つぶやき、うなずきなど)しながら「聴く」

・話し手の思いや心情を考えながら「聴く」 など

 これら全てを、軍隊のように全員一律にさせる必要はありませんが、一人一人が自分の聴き方レベルに合わせて、聴くようにさせていくとよいと思います。

 時々、そのレベルを各自がチェックしたり見直したりしながら、全体としてより高いレベルに上げていくことが重要です。

 「今の○○さんのうなずきながら聴いている姿、とてもいいですね」など、教師が子供たちの様子を見て、賞賛したり評価したりしていくと良いです。

 「聞く・話す・読む・書く」については、今後、よりくわしい内容にしてアップしていきたいと考えています。

 

 今回は、Ⅱ 学習規律をつくる-③ 学習する意味 について書きました。

 次回は、Ⅲ 教室環境をつくる です。

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