学級経営において、「全体を見る」ことの大切さを伝えました。
ただし、「全体を見る」ことができるようになった後は、当然「子供一人一人を見る」ことが重要になってきます。
あなたは、毎日教室の子供一人一人を意識して見ることができていますか?
教師として「全体を見る」力が付いてきたら、今度は「子供一人一人を見る」ことができるようにならなくてはいけません。
それが、本当の意味で、子供一人一人を理解することにつながるからです。
こちらの方が、もっと時間がかかることになります。
1学期だけでは難しい、というより、1年かかってもきっと不十分でしょう。
それでもできる限りの時間と力を使って、一人一人の子供をしっかり把握し、理解する努力を続けていくことが教師の使命といえるでしょう。
これが深まっていかないことには、教師が子供一人一人を評価したり、その特徴や良さをつかみ、生かすことができないからです。
その子に応じた適切な指導や支援ができないことにもなります。
また、勘違いしないようにしたいのは、これは決して通知票をつくるためのものではないということです。
その子その子に応じた、より効果的な教育を施すためのものです。
そして、そのためには、やはり子供一人一人と密接に関わっていかなければなりません。
ここでも、当然多くの時間が必要になります。
教育には、時間がかかるということです。
働き方改革の趣旨に反すると思われた方がいるかもしれません。
でも、そうではありません。
もっとも、時間の効率化は必要です。
しかし、子供と関わったり子供を理解したりする時間を減らすのではなく、むしろ増やしていきたいところです。
そうしないと、教育の質が落ちてしまうことは必至です。
教師が子供と関わったり、子供を理解したりする時間こそが、本来の教育の姿です。
そうした時間すら減ってきているのが、今の教育の課題ともいえます。
効率化や減らすのは、あくまで教育とはかけ離れた事務作業や会合などです。
本来の教育を充実させるために必要な取り組みには、もっと時間とお金をつぎ込むべきだと考えます。
その意味で、明確な意識をもって、改めて子供一人一人をしっかり見ていきましょう。
一人一人と関わっていきましょう。
一人一人を深く理解しましょう。
一人一人の存在を認めていきましょう。
一人一人の良さを伸ばしていきましょう。
それが、教師としてのあり方だと思っています。