今、学校では特別支援学級の在籍児童がすごく増えています。
通常級では、その子供の個性や特性を十分生かした効果的な教育活動を行うことができにくいからです。
学級種別にもよりますが、特別支援学級ではその子供に応じた学習内容を用意(内容を精選)し、その子供に合った学習スピードで授業を進めています。
本来、子供一人一人に合った学習ということで言えば、そういった学び方を提供していくのが当然です。ただ、通常学級ではそれが難しいです。
例えば、30名の子供たちを一人の教師が教えることになり、一人一人に対応した学習の仕方を保障することが困難だからです。
だから保護者は、我が子が特別支援学級に入ることで、手厚く充実した教育が受けられるようにさせようとするのです。
だから、今は昔と違って、通常級から特別支援級に在籍を移そうとする親や子供が本当に増えているのです。
こういった状況がどんどん増えていくと、特別支援級に在籍する子供の数がふくれ上っていくことになります。
何が問題になるかというと、まずは特別支援級の担任教師の数が足りなくなります。実際、足りていません。
通常級の担任の中には、特別支援教育に関する資格をもっていたり、特別な研修を受けたりしている教師もいますが、まだまだ少ないです。
したがって、現在増えている特別支援級の状況に応じて、その資格をもっていなくても特別支援級の担任をしている教師がたくさんいます。
地域の教育委員会や行政は、特別支援教育に関する研修や援助を積極的に行っていますが、それでも間に合っていない状況です。
特に小規模の学校においては、通常級と特別支援級の在籍児童数の差がだんだんと縮まってきている状況も見られるのではないでしょうか。
こうなると、いずれどちらが特別支援級なのか分からないような状況も生まれてくるかもしれません。
冗談ではなく、本当にそれぐらいの勢いで特別な支援を要する子供が増えているということです。
極端な話をすると、いつか学校は、教師一人に付き子供一人といった「マンツーマン」での指導をしなければならないようになっていくのではないでしょうか。果たしてそんなことが可能なのでしょうか。(教師の数が全く足りないとは思いますが…)
そうならないためには、どうしていけばよいのでしょう…?
とにかく今は、学校が子供たちにとって、楽しく学習ができる楽しい場所にしていくしかないと思います。
子供が自ら「行きたい!」と思えるような「楽しい学習」や「楽しい学校」を目指して、私たち大人(教師)はいったい何をしていけばよいのでしょう…?
道のりはとても長いように感じられますが、やらなければならないことに間違いはないでしょう。