「この学校ではこんなことが学べますよ」といった独自の特色を大切にした学校を増やすとともに、学校を親や子供たちが自由に選べる…そんな学校制度をつくっていけばよい、と私は思っています。
様々な特色を打ち出している私立の幼稚園や保育所などと同じで、それが子供一人一人に合った教育のあり方ではないかと思うからです。
最近の教育キーワードとして「主体性」がもてはやされていますが、「主体性」はやはり学び手が学ぶ内容を主体的に選ぶ(決める)ことから始まるような気がしています。
また、学校毎にその特色を出し、学ぶ内容を特化した学校にしていくのです。そして、様々な学校の中から、どの学校に行くかを親や子供が選ぶということです。
もちろん、義務教育段階では、基礎・基本的な学習内容の習得は必要なので、それらは保障しなくてはならないでしょう。
また、何を学べばよいか、どの学校へ行けばよいかがよく分からない幼い子供たちが、主体的に選ぶこと自体が難しいのも事実でしょう。
だから、親が手助けをするのです。子供と一緒に考えたり相談したりすればいいのです。そして、最終的には行きたい学校(学びたい学習内容)を自分で決めるということです。
また、例えば現在の義務教育の学習内容を絞ってスリム化し、もっと早い段階から選択制を取り入れたコース別選択学習を導入するなど、より個別に応じた新しい教育制度をつくってはどうでしょうか。
例として、次のような学校教育制度はどうでしょうか。
○小学校1~4年生を義務教育のスタンダード(基礎・基本)学習コースとする
○小学校5~6年生を義務教育のセレクション(選択)学習コースとする
○中学校1~2年生を義務教育のスペシャル(専門)学習コースとする
(※小学校1年生~中学校2年生(8年間)を義務教育とし、それ以降は高等教育とする)
今の義務教育の学習内容は、昔から内容が大して変わっておらず、いわゆる知識偏重型(暗記型)の学習が依然として多くあります。
最近は、そうした教育の現状から脱皮すべく、随分と活用・探究型の学習が増えました。しかし、確かに学び方は改善されてきましたが、学習内容そのものはやはり以前とあまり変わっていません。
外国語(英語)学習やプログラミング学習など、新しい学習が出てきたことは良いことですが、問題はこれまでの学習内容にただ上乗せしている状況にあります。
「はい、次はこれ、その次はこれ」と、子供たちが学ぶ内容をどんどん増やしているのです。これでは、指導する現場の教師たちが疲弊していくのも無理はありません。
何より、子供たちがあまりの学習内容の多さに付いていけない状態ではないでしょうか。
やはり、今の教育内容や教育制度を見直すべきだと思うのです。
「どうすることが本当に子供のためになるのか」をもっと真剣に考え、議論していく必要があります。
今の学習指導要領にいつまでも拘っているのではなく、より多種多様な分野に渡る学習内容を吟味していくことです。そのためには、学習指導要領をスリム化するとともに、教育制度を変革していくことが必要だと思います。
学ぶ内容を国が一律に決めるばかりではなく、(もちろん大事な部分は残しつつ…)これからの社会に真に必要となる学習内容を吟味し、選択自由度のある学習制度を構築すること…それが子供たちを主体的な学びに向かわせるとともに、学びの質を高めることにつながるのではないでしょうか。
それが日本の将来を担う子供たちを育てることになるのではないでしょうか。私はそう思っています。