不登校問題の解決に向けた方策として、私は教育課程を見直すべきだと思っています。
いきなり大きなことを主張するようですが、子供の気持ちを考え、学校の未来に思いを馳せてのことです。
子供たちが学校に行けない(行きたくない・行かない)理由の一つは、根本的に学校での授業(学習)が楽しくないからではないでしょうか。
苦行のような学校生活に、もはや子供たちは耐えられないのです。(※他に、「自分の居場所がない」ということも理由の一つと思っています)
いじめや校内暴力の問題もなく、クラスの問題や友達とのトラブルや悩みでもない中で、それでも登校できないというのはそういうことではないかと考えています。
また、不登校特認校やフリースクール、適応指導教室に通う子供が増えてきています。こうした新しい学校や施設が増えるに従い、単純にたくさんの子供たちが分散して学校へ行くことになります。
子供たちが学校に行くことはとても良いことですが、これがどんどん進展していくと、一つの学校に所属する子供たちの数も少なくなっていくことになります。
現在、全国的に適正規模の学級を編制するために、学校の統合が急速に進んでいます。つまり長いスパンで見た場合、統合された学校が近い将来、また新たな統合問題に直面することになるのではないかと心配するのです。
学校の数を増やしては統合、増やしては統合、といったことにならないだろうかという不安です。何だか、とても無駄なことをしているような気がしてなりません。
私は、もっと別の視点が必要なのではないかと思います。いっそのこと、今ある学校を独自の特色を生かした学校にしていけばよいと思っています。
不登校特認校や特色を生かした学校を増やし、保護者や子供が自分で学校を選べる制度をつくればよいと思うのです。
適正規模といった人数にばかり目を向けるのではなく、その学校でどんなことが学べるのかという良さや特色を前面に押し出し、親や子供が自分にあった学校を選ぶという学校制度にしていくのです。
子供一人一人に応じて、「学びたいことが学べる学校」「行きたくなる学校」ということです。その方が、子供も主体的に学びに向かい、学びの質も高まるのではないでしょうか。
要するに、人数的な規模ではなく、教育内容をもっと柔軟化し、学校を特化させていくということです。
こう考えることは、結局日本教育のあり方を根本から見直し、昔から神話のように崇拝してきた学習指導要領を抜本的に変えていくことになるのではないかと考えます。
こんなことを言っているのは私だけかもしれませんが、150年続けてきた日本の学校教育を今こそ見直す最大のチャンスだ、と思っています。
大風呂敷を広げましたが、そんな教育改革を断行していける人材(国のリーダー)が、今の日本には必要だと思います。