130 子供をよく見て、寄り添える大人(教師)に

 前回、子供の自殺を防ぐために、タブレット端末を活用してSOSを早期に把握しようという話をしました。また、子供たちが心の余裕を取り戻すよりも先に、私たち大人が余裕をもって、周囲に心と目を配りながら暮らすことが必要であるということも伝えました。

 ただ、タブレット端末の活用はすぐにでもできそうなことですが、大人が余裕をもつことはなかなか難しいことのように思います。

 大人の余裕のなさは、家庭の貧困の格差が少しずつだが年々拡大しているという結果にも表れているように思います。なぜなら、最近の保護者の様子を見ていて、とてもよく伝わってくるからです。

 若くしてシングルマザーになっている母親がとても多くなりましたし、子育てをしながら、何とかその日暮らしをしているような家庭も増えました。

 また、今は共働き家庭がほとんどです。仕事で夫婦共に忙しいため、0歳から子供を保育所や託児所に預けるなど、家庭の中で子育てに余裕があるとはとても思えない状況が多く見られます。

 要するに、現代は子供を人に預けて面倒をみてもらい、子育てをしている(働いている)時代です。

 ある意味、それは子供の教育というものをかなり後回しにしている状況です。(時代の変化を感じてしまいますが、私は少し違和感をもっています)

 その意味で第一にすべきことは、まずは子供に大きな負担や負荷をかけている貧困家庭を救済することが、子供の教育にとっても必要なのだと思います。

 これは、学校でできることではありません。国全体が取り組むべきことだと思います。

 それこそ、文科省が先頭に立ち、国に働きかけ、引っ張っていってほしいと思います。

 そうした状況(親が多少余裕をもって子育てができる)が生まれれば、親自身が子供の日々の生活がよく見え、悩みなどを抱えている様子や状況も把握しやすいでしょう。

 やはり一番近くにいる大人である親が、最も早く子供の変化や悩みなどに気づき、寄り添ったり相談に乗ったりすることが何よりも大切なように思います。

 教師も近くにいる大人ではありますが、教室には30人といった大勢の子供たちがいます。一人一人の異変や様子の変化に気づくことは教師として必要な資質・能力ではありますが、全てを把握することは不可能ですし、なかなか難しいことです。

 だからこそ、教師は子供が孤立しないような良いクラスづくりを行っていくことが求められます。心に余裕をもって、クラス全体をしっかりと見られるような教師にならなくてはいけないということです。

 話が広がってしまいました。

 子供の最悪の事態を避けるためには、まずは、その悩みを近くにいる大人が把握し、寄り添ったり相談したりできる環境をつくることが大切です。

 そのためには、特に最も子供のことを分かり、知っている親が、その役目を果たすことが大切だと思います。もちろん、教師や友達も重要な位置にいる人間です。そのおかげで一命を取り留めた子供もいることでしょう。

 しかし、子供にしてみれば、やはり最も信頼し、頼れるのは親です。

 私たち大人(教師も)は、子供の様子をよく見て把握し、理解することを諦めずに続けていくしかないのだと思います。

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