文部科学省は、7月上旬、夏休み明けに増える傾向がある子供の自殺を防ぐために、全国の教育委員会に通知を出し、タブレット端末を活用してSOSを早期に把握するように求めたとのことです。
同省によると、2022年の全国の児童生徒の自殺者数は過去最多の514人で、2023年は1~5月に164人(暫定値)が自ら命を絶ったということです。
こうした動きを受け、各教育委員会では様々な取り組みを進めているようです。
ある地域では、市教委を通して、教員や臨床心理士らと後日面談できるツールを導入したり、端末画面のアイコンボタンをクリックすると、いつでも相談の入力フォームにつながるよう工夫したりしているところもあるそうです。
また、子供たちが気軽に活用できるよう、「晴れ」や「曇り」「雨」「雷」などのアイコンで今日の心の状態を表現するツールや教師に直接悩みを伝えられるようなフォームを独自に導入している学校もあるようです。
子供一人一人に寄り添い、そのSOSを逃さないようにしようという取り組みは、とても素晴らしいことだと思います。
今後も、こうした子供に寄り添った実践を積極的に進めていってほしいと思います。
後は、放課後に毎日フォームをチェックしている生徒指導主事などの教師が、疲弊して倒れないようにと願うばかりです。
学校という教育現場において、最も悲しく、言葉にならない出来事が「自殺」です。
そういう事態になった時には、誰もが「なぜそうなる前に何とかできなかったものか…」という思いを抱くものです。
「決してあってはならない出来事」ですが、私も残念なことに経験があります。
直接の担任ではありませんでしたが、亡くなる2年前に担任をしていた子供でした。小学5年生でした。その時私は最初そのことを信じられませんでした。その事実を受け入れることもできませんでした。当時の担任教師こそ、胸が張り裂けそうな思いをしたことと察します。ましてや、保護者は想像を絶する心情だったと…推察します。
これ以上は書ける内容ではないので、やめます。
悲しすぎます。こんなことは、やはりあってはならないことです。
だから、そうなる前に誰か相談できる人を見つけてほしいです。
家族でも友達でも先生でも誰でもいいのです。必ずいますから、相談に乗ったり味方になったりしてくれる人が…。
だから、SOSを出してください…お願いします。
そういった事態にならないように、ぜひICTを活用し、子供の悩みの軽減に役立てていきたいものです。
家庭でも、これらタブレット端末を子供の悩み相談に生かしていくようにしてほしいと思っています。
今の子供たちは、とても忙しいです。余裕がないといっていいでしょう。
そうした中で、精神的なゆとりをなくし、狭い自分の殻の中だけで考えたり、重く受け止めたりする傾向があります。
やはり周囲の大人が、それに気づいてあげることが必要です。しかし、その大人こそが実はとても忙しくて、それどころではない人が多いのかもしれません。
子供たちが余裕を取り戻すようにすることよりも先に必要なのは、私たち大人が余裕をもって、周囲に心と目を配りながら暮らすことなのかもしれません。