127 「カスハラ」問題を考える…②

 私がなぜこの「カスハラ」問題を取り上げたか…実はこれらは、店(企業)と消費者間の問題だけではなく、学校という職場においても同様の問題だと思うからです。

 例えば、最近はあまり話題にはならなくなりましたが、クレーマーと言われる保護者がいます。学校に無理難題を要求してくる保護者です。

 以前は「モンスターペアレンツ」と言われた時代もありましたが、これも「カスハラ」によく似ていると思うのです。

 むしろ、我が子のことということで、親の感情や心理面で非常に思いが強くなりやすく、「カスハラ」以上に対応の難しいケースが多いような気がします。

 私もこれまでに、そういった難しいクレームにたくさん出合ってきました。

 最近特に増えたと感じるのは、親同士のトラブルや不仲、離婚問題が要因になっている家庭の問題です。

 親権を争っている親が学校に子供を迎えに来て、無理矢理連れて行こうとするようなケースで、要するに子供や学校が振り回されるというものです。

 これらが家庭で表面化し、そうした生活の中で幼い子供たちが心を痛めているという、とても不憫に思うケースが本当に多くなった感がします。

 「子供たちがかわいそうでしかたがない」「できるだけ子供を巻き込まないでほしい」という気持ちと、「親同士(家庭)の問題を学校に持ち込んでほしくない」という思いでいっぱいです。

 私が対応したケースでは、正面玄関で母親が大きな声でわめき立て、「弁護士とも話をし、子供を連れて行くことに問題はないと聞いている。今日は学校が子供を引き渡すまで帰らない」と…。

 学校からは、「一方の親からだけの要求には応えられません。ご両親が了解され、子供本人が納得の上で、迎えに来てください」と何度伝えても、母親は一向に聞き入れようとしないのです。

 それどころか、学校の対応を非難し、悪者扱いする始末です。

 学校としても、父親に無断で、おいそれと子供を母親に引き渡す訳にはいきません。それ以上に、子供のためにここは簡単に引き下がる訳にはいきませんでした。(担任や子供本人から話や気持ちを聞き、「母親の方には行きたくない」という子供の意思を確認していたからです)

 残念なことに、こうしたやり取りを何度も繰り返すことになりました。(母親や祖母が同じ理由で複数回来校されたからです)

 教育委員会にも連絡し、学校としての対応のあり方を相談もしていました。(結局は、毎回同じ対応をするしかありませんでしたが…)

 このケースの場合は、同じようなことを繰り返しながらも地道に説得することで、ようやく母親も行動を控えるようになり、最悪の事態を防ぐことができました。

 しかし、今考えても理不尽で、子供の心情や立場を考えない大人としてあるまじき行動だと思わざるを得ません。

 こういった離婚問題を抱える家族の(貧困家庭を含む)問題は、後を絶ちません。

 夫婦の問題に口出しするつもりはありませんが、これらを何とかしないといけません。結局悪影響を被るのは、子供たちだからです。

 ただ、保護者も困ったり悩んだりしているのはよく分かります。

 以前は、こういった問題も教師が進んで保護者と関わり、話を聞いたり相談を受けたりしながら、子供たちのために何とかできないものかと尽力していました。

 しかし、もはや学校や教師が何とかできるような問題ではありません。また、そんな時代はとっくに過ぎ去りました。(残念ながら、保護者が教師に大きなを信頼を寄せ、積極的に相談してくることも少なくなりました)

 次回、こうした学校現場の状況をもう少し伝えたいと思います。

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学校教育
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