123 中教審の緊急提言に物申す…③

【中教審の緊急提言のポイント(まとめ)】

①年間の授業時数が国の基準を大きく上回る学校に改善を促す

②運動会や入学・卒業式などの行事で「前例にとらわれた部分」をやめ、時間を削減するよう促す

③教員の「勤務間インターバル」導入を検討する

④保護者の過剰な要求に対応し、教育委員会も支援体制を構築するように要請する

⑤授業以外の業務を支えるスタッフを拡充する(予算計上の検討)

 私が「根本的な解決につながらない」と考える理由を、上記の①~⑤に対応した形で述べます。

①学校が授業時数を増やさざるを得ない、増やした形で計画する傾向があるのは、教えなければならない、たくさんの学習内容をしっかりやり切ろうとしているからです。本当に授業時数を減らしたいと考えるのであれば、学校に授業時数を減らすよう改善を促すのではなく、学習内容を減らすことです。

②学校行事をなかなか削減できないのは、地域や保護者のこれまでの古い価値観をなかなか変えられないからです。学校だけでそれをするのは至難の業です。地域や保護者の理解を得るためには時間がかかります。国が国民全体の意識や価値観の転換、理解を得られるよう積極的に働きかけていくことが重要だと思います。

③「勤務間インターバル」は、一生懸命務める教師がその恩恵に預かり「ああ助かった」と思えることはそれほど多くはないと思います。インターバルを確保した分、子供の下校時刻が遅くなり、放課後にしわ寄せがいくことで、ますます退勤が遅くなる可能性があります。

④保護者の過剰な要請を減らすよう教育委員会に要請したところで、実際それがどこまで具体的に進むのか疑問です。学校は現在、保護者に対してとても弱い立場にあります。教育委員会も同様です。国が本腰を入れて「家庭教育改革」を進めない限り、これも難しいと思います。

⑤授業以外の業務を支えるスタッフが増えるのは良いことです。これが今回最も効果の期待できる方策です。ただ、これも既に実施している所があり、その課題として「人手不足」の問題があります。国全体で(企業でも)人が足りなくて困っているのに、教育界だけに多くの人材を集めることが可能なのでしょうか。お金の問題もありますが、人材確保の問題も大きく立ちはだかることと思われます。現在周知の事実として、担任配置不足の問題が起きている学校も少なくありません。やはりこれも課題の残るところです。

 以上です。この期に及び、やはり現場の本当の大変さを分かっていないのだと思います。私的な思いが前面に出てしまい、ついつい強い言葉が続きました。

 しかし、落胆するのは、(私よりも)現場の教師たちです。

 「本気で教育改革を進めていこうとしているのか」と疑問を感じざるを得ないとともに、残念で仕方ありません。

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学校教育
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