121 中教審の緊急提言に物申す…①

 先日の朝刊に「教員確保策を話し合う中教審の特別部会は、長時間労働の是正に向けた緊急提言をまとめた」との記事が載っていました。

 教員の長時間労働解消へ向けた動きとして、本当に良いことだと感じました。

 しかし、一言正直に言わせていただくならば、「遅い!」「根本的な教育改革にはならないだろう…」との思いです。

 今回の提言内容は、「年間の授業時数が国の基準を上回る学校に改善を促し、学校行事の精選や「勤務間インターバル」の導入検討を(文科省へ)要請したり、教員の業務をサポートするスタッフの拡充など国が直ちに取り組むべき施策を打ち出したりするというものです。また、文科省の来年度予算への経費計上を通して、現場を後押しする方針」とのことです。

 他にも細かい内容が挙げられていたので、それらを下にまとめてみました。

【今回の中教審緊急提言の内容】

①授業に関して、例えば小学5年生の年間1015こまを大きく超える1086こま以上を計画する学校が37%あることを問題視し、「指導体制に見合った計画にするよう」削減を求めた

②運動会の簡素化や入学式・卒業式の時間短縮を推奨した

③教員が終業から次の始業までに一定時間の休息を確保する「勤務間インターバル」の必要性に言及した

④保護者の過剰な要求に関し、学校が組織的に対応するのが重要であり、各教育委員会に支援体制の構築を要請した

⑤国の施策として、教員が授業に集中できるよう、プリント準備や電話対応を支援する「スクール・サポート・スタッフ(教育業務支援員)」の拡充を求め、全小中学校への配置を目指すべきだとした

※その他に、文科省は概算要求でその「スクール・サポート・スタッフ(教育業務支援員)」を倍増させ、児童生徒の教育活動をサポートする学習指導員も増やすため、合計約170億円を計上。保護者の不当要求対応では、市町村教育委員会が校長・OBらを「学校問題解決支援コーディネーター」として活用する仕組みを構築する事業を始めること。また、中教審は、今回の提言後、残業代の変わりに給与4%相当の「教職調整額」として支給する現行の給与制度をどのように見直すかを議論の主題とすること、などがある。

 以上が、新聞紙上に掲載された内容をまとめたものです。そして、簡単に言えば、これから「この中教審の提言を基に、国や文科省がその具体策や必要な予算取りを検討、計画していく」流れになるということです。

 はっきり言って、これらが実行されるまでに、まだまだ時間がかかるということです。

 しかし、それ以上に残念なのは、その紙面のすぐ横に現場からの声として「中身に既視感  現場落胆」と書かれていたことです。

 それは、「やはり、そうだろうな」という私の気持ちを代弁しているかのようでした。

 提言の内容は、これまで「何度も現場から言われていたこと」ばかりだからです。

 現場からの声として、これまでにも同じことを何度も繰り返し伝え、発信してきているはずです。

 それにも関わらず、「検討や議論」ばかりしていて具体的な取り組みがなされてこなかったことや、結局根本的な解決策に切り込んでおらず、上滑りの策がまた繰り返されてしまうのかと感じることなど、今回も現場が落胆せざるを得ないだろうと思う内容だからです。

 この提言に関しては、もう少し回を重ねて書きたいと思います。

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