元小学校教員である私から、ぜひ若手教員に向けて応援メッセージを送りたくて、書くことにしました。
ここで最も大切なのは、「決める」ということです。
ただ、クラスの子供一人一人(全員)を好きになると言っても、なかなか簡単ではないという人がほとんどだと思います。
教師も人間ですから、全ての子供を好きになるというのは、かなり難しいことです。
また、教師として、そこまでの必要がはたしてあるのかと問われれば、疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、その辺りは騙されたと思って、まずはやってみてほしいのです。(私の場合、「通常」とは異なる、ちょっと「異常」な?手法を取ることが結構多いです…笑)
もしかすると、その理由は、今すぐには分からないかもしれません。
でも、まずはやってみてほしいのです。
教師であるあなたであれば、きっと子供のことが好きだ(好きだった?)と思います。
少なくとも、教師を目指した頃や教師になったばかりの頃は、そうだと思います。
ただ、教師になるとすぐに理解できるように、クラスには実に様々な子供たちがいます。
明るい子、暗い感じの子、わがままな子、素直な子、親しみやすい子、とっつきにくい子など、本当に千差万別、十人十色です。
そんな子供たちと接していると、「ああ、この子は話しやすいなあ」とか「なんだか、嫌な感じのする子だなあ」などと思うことが出てきます。
そうした経験を経ていく内に、子供たちに対して「あの子は好き、でもこの子はちょっと」となり、いつの間にか単純な「好き嫌い」の感情が大きくなっていくことがあるのです。
「人としては、それは当たり前だし、自分の中だけの感覚的なものだから」
「特に子供たちに伝えたり、行動や態度に表したりする訳ではないから、別にいいだろう…」
などと捉え、そのまま放置していくことが多いと思うのですが、それがいけません。
「え、なぜ?」と、思われるでしょうか?
その放置が、いずれあなたの中で、とてつもなく大きくなっていくからです。
その最大化したものが「あの子さえいなければ、このクラスは良くなるのに…」です。
こうなってしまうと、すでにクラスは傾いた状態といってもよく、自分自身やクラスを立て直し、よりよくしていくことは、かなり難しくなってしまいます。
また、実はそこまでではないとしても、その手前の段階がいくつもあります。
しかし、「子供を嫌うレベル」が少し違っているだけで、根っこは同じようなものです。
私たちは、教師を「仕事」と割り切ってやらないとできない部分が確かにあります。
「嫌いな子がいても、担任として、しっかり仕事をしていれば、それで良いでしょう」と。
しかし、そういうことは、子供たちは全てお見通しです。
子供たちには全て伝わっている、と思った方がよいと思います。
そういう状態で、クラスをうまく経営していくことは非常に難しいです。
私が言いたいのは、「私たちは教育公務員だから、全ての子供を平等に見なければならない」ということではありません。(確かに、それはそれで大事ですが…)
そういった「正しいこと」を言いたいのではなく、それよりも、子供たちと良い関係を築いていくのは難しいけど、より効果的な方法が『好きになると決めること』だと言いたいのです。
私たち教師は、子供たちを平等に見たいと思っているはずです。しかし、実際それはとても難しいことです。
時に「好き嫌い」という、人としての当たり前の感情が、「子供たちを平等に見る」ということをすごく邪魔するからです。
だから、『決める』のです。
「私は、目の前の子供たちみんなのことが好きなんだ」と…。
「あの子も、この子も、どの子も、みんなが大好きなんだ」と…。
『決める』ということは、自分自身に宣言をするということです。
これで、自分の腹が決まります。腹の決まった人間は強いです。迷うことがないからです。子供を嫌っている暇がなくなります。
ある意味、「自分で自分のことを騙す」と言ってもよいかもしれません。
深層心理的に言うと、決めることで、自分の根っこ(心の奥深い部分)が決まるのです。
そうなると、人は行動がぶれなくなります。
そして、それが子供たちを平等に見るための、とても有効な手段になります。
不思議ですが、そうなのです。意外でしょうが、気持ちとしても、むしろ楽です。
私自身、これまでそうやってきましたし、そのおかげでいろいろなことをうまくやってこれました。だから、効果は保障します。
そして、それがある意味「幸せ」に繋がることだと思っています。
これはやってみた人間でないと分かりません。だから、ぜひやってみてください。
「なんだよ、全然違うじゃないか」
「思ったほど、役立たなかったけど…」
という人は、そうなった時に私に言ってきてください。
ぜひ相談に乗りたいと思います。(笑)
今後は、「教員シリーズ」として、教師としてのあり方や学級経営の方法などについて、発信していきたいと思っています。よろしくお願いいたします。